1年前の今日
あいつは突然逝ってしまった

山本周五郎の小説
「赤ひげ診療譚」作中で述べられる一節

”人生で臨終ほど荘厳なものはない”

私はこの言葉を目にした時
それまで考えたことの無かった
”人生の重み”というものに打ちのめされた

折しも明日8月15日は終戦の日であり
お盆の最中でもある
形や理由は違えど
今世での人生を全うした人々に思いを馳せる時期
そのような時期に我が友を1年前
後に自分も経験することとなる同じ病で亡くした

そして

彼は逝ってしまったが
自分は生き残ってしまった

自分は命と引き換えに
35年にもなる仕事を失うことにもなったが
そんなことは臨終という人生で最たる荘厳な式の前で
どれ程のことと言うのか

明日その職場を去る

友よ
君が救ってくれた人生が臨終を迎えるまで
忘れることは無い