伊藤昌亮/著『曖昧な弱者の時代』岩波新書(2026/5)
本書は7つの章からなり、そのうちの6つの章は、岩波書店の月刊誌・世界に掲載されたものなので、すでに読んでいる人も多いと思う。
現在、日本社会において右傾化やヘイトスピーチの問題が注目されている。
本書はこの原因を解明するもので、X(旧Twitter)の投稿などを分析したものも多い。
本書によると、ネット右翼やヘイトスピーチの主体は、「中の下」の人たちだそうだ。
「下」の人たちには社会福祉が行くが、「中の下」は取られる一方で生活苦がのしかかる。立憲民主党は「下」の人への支援は熱心だが、「中の下」は取り残している。
ネット右翼やヘイトスピーチの人たちの心情はそういうところにあるのだろう。でも、実際の政治では「下」の人に福祉が行き届いてはいないし、東京と子育て支援などは「中の下」支援だろう。もっとも、国民民主党や参政党の人気は、「下」の切り捨てが、「中の下」の支援策に見えることからくるのだろう。
そういうことで、本書を読むと、昨今の、右傾化やヘイトスピーチの理由がわかるように感じる。
