島薗進、金澤豊/編『新仏教教団を学ぶ』法藏館(2026/1)
仏教系新興宗教の中には旧仏教と友好関係にあるものも多い。本書はこのような仏教系新興宗教の中から「孝道教団(天台宗系)」「立正佼成会(日蓮宗系)」「真如宛(真言宗系)」の3つの新興宗教を取り上げている。
本書は5章構成で、最初の章は宗教社会学者・島薗進による仏教系新興宗教の概説。2章から4章は、新興宗教の代表・幹部による各教団の説明。多くは、すでによく知られている内容なので、特に新味は感じられなかった。
第五章は、編集者と各教団の代表・幹部による対談。島薗進が質問して、3人が答える形となっている。
本書で取り上げている3つの新興宗教は、各宗信者の団体で 、現世利的傾向が強ようだ。また、本書で取り上げた3教団に限らないが、新興宗教一般に、信者による布教活動が行われ、この点が、普通の仏教寺院とは大きく異なる。
ところで、本書のタイトルでは「新仏教」となっているが、一般には「仏教系新興宗教」と呼ぶ人が多い。宗教社会学では「仏教系新宗教」ということが多い。新興宗教教団は悪いことをするものが多かったため、「新興宗教」という言葉には侮蔑的イメージが付いた。そこで、中立的立場で研究する場合に「新宗教」と言うようになった。ところが、新宗教教団は悪いことをしたり迷惑だったりと、社会的影響への内実は、あまり変わらないので、「新宗教」という言葉にも侮蔑的イメージが付いて来たようだ。このため、本書が対象としている孝道教団・立正佼成会・真如宛をまとめて新仏教と呼んだのだろうが、日本の新興宗教には、仏教と神道が混ざっており「新仏教」と言うにふさわしくないものが多い。このため、新仏教の言葉は日本の宗教を理解するうえで、あまりふさわしい言葉とは言えないように思う。
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