小林麻央さんの件ですが改めて見直してみる

と最初の癌の疑いから具体的な抗腫瘍治療ま

でに2年弱の空白期間があるようです。初回

診療時の方針として、抗癌剤+根治的手術を

提示され標準治療を拒否した結果フェイクな

代替療法を継続することにつながったと想定

されます。

みつかった時点で「手術」していれば…とい

う文脈のコメントが多く見受けられます。

しかしリンパ節転移があったとなると潜在的

に遠隔転移は存在していた可能性が高く、

たとえ手術したとしても全身再発のリスクを

高めるだけという結果になった恐れもあります。

 

「たられば」話はドラマのタイトルにもなり

ましたが、もし初回診断時点で有効な非標準

治療と引き続く再発予防治療を実施していれ

ば全く違った今があった可能性が否定できま

せん。

一般に、標準治療を拒否する患者さんはそれ

ほど稀ではありません。でも明らかに効果が

期待できない代替的手段に盲目的に頼ること

でせっかくの治療機会を逸してしまうことは

とてももったいないことです。

適切な局所制御と全身再発予防を体系的に実

施すれば手術以上の効果が得られることもあ

りえます。

 

症例1

進行乳癌で抗癌剤治療と全摘術を提示され

拒否し受診。

PET-CT上左乳房原発、腋窩リンパ節転移。

全病変IMRT施行。

治療前に認めた異常なUptakeは治療後1年後

すべて消失。遠隔転移も認めずCR。

 

図1-1 治療前PET-CT

左乳房に巨大な腫瘍、腋窩リンパ節転移

 

 

図1-2 治療1年後PET-CT

全病変で異常Uptake消失し新規転移も

認めない。

 

症例2

広汎なリンパ節転移を認める乳癌、抗癌剤治療

を提示され拒否。免疫治療希望しその一環とし

て受診。全病変へIMRT実施後、局所免疫治療

施行し、CRとなった。

 

 

図2-1 治療前PET-CT

頸部、左鎖骨上窩、両側腋窩に多発リンパ

節転移を認める

 

 

図2-2 治療3か月後PET-CT

すべての異常Uptakeは消失

 

このように、標準治療を拒否してもその代り

となる有効な局所抗腫瘍治療を実施しさらに

必要に応じ再発予防に有効と考えられる全身

治療を併用することで無再発生存が期待でき

るのは乳癌に限ったことではありません。

 

症例3

子宮内膜癌(体癌)Ⅱ期 手術拒否にて受診。

初回、40GyのIMRTを実施。

半年後、残存疑われ15GyのIMRTを追加。

1年後にCR。

軽めのホルモン治療継続し無再発生存。

 

 

図3-1 治療前PET-CT

子宮体部に中等大腫瘍認める

周辺のUptakeは膀胱や腸管

 

図3-2 半年後PET-CT

子宮体部に僅かに残存Uptake

 

図3-3 一年後PET-CT

膀胱に尿のUptakeを認めるのみ

病変はすべて消失している

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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