フライデー2017/03/03号に角盈男さんの
記事が載っています。著名人のがん体験を取り
上る不定期の企画です。これまでに膀胱がんや
腎がんの手術を受けたスポーツ選手の話が載
ったそうです。今回の話は前立腺がんを宣告さ
れた角さんが最初に最先端の重粒子線を選ん
だところ、ホルモン治療の継続が必須でアルコー
ルも飲んではいけないとの制約に縛られQOLの
低下が明らかとなりました。
そこで、角さんはさらに色々と調べた結果、トモ
セラピーという治療法に行きつきました。
実際、従来の重粒子線治療では、前立腺全体に
高線量を投与する方法でがん治療が実施されて
いるため、ホルモン治療にてがんを縮小させて
直腸との間隙が生じる必要があることや尿道被曝
を軽減される変調がかからないため、尿道に浮腫
を生じる可能性のある飲酒は制限されていました。
トモセラピーでは直腸壁に急峻な線量勾配を配置
できるため、原発巣サイズの縮小のためや潜在的
リンパ節転移の予防のためののホルモン治療が
不要であること、尿道線量も同時軽減が可能であ
るため、尿道浮腫や狭窄を生じないで済むこと、
さらに周辺の転移リスクの高いリンパ節も同時に
治療することが可能です。ただし、正確に尿道の
位置を描出するため、排尿CTは必要となります。
これらのきめ細かい計画を実施した上で角さんの
治療が実施されました。1ヵ月程度の治療期間中
角さんは治療寝台の上で毎回爆睡されていました。
その後も再発なくお元気な様子でなによりです。
結果的に自分のライフスタイルに最も合致した治療
を模索しQOLの維持と厳密ながん治療を同時に
実現できた例でした。