しばらく歩いたが見つからないので、遠く離れてしまった車を取りに戻り
車ごと移動しながら探してみると、、引き返したすぐ先の凹んだ死角に
その店はひっそりと建っていた。
先ほどの2軒同様、店の造りは古い。
同じ商店街の徒歩圏内に、3軒も玩具店が存在する事に疑問を感じたが
まあよくある事だろう。
以前行った赤羽でも4~5軒は点在しているのを見ている。
丁度角に建つその店は、全面ガラス扉だが、出入り口は1箇所。
店内に入る為扉を開けると、いきなりハデハデチョロQのファミリアが
転がっているのが目に入った。
しかも、箱や棚に置かれているのではなく、横たわった大きな玩具の箱の上に
まるで誰かがゼンマイを巻いて遊んだかのように置かれていたのだった。
良く見ると、その大きな箱は、後期のジャンボマシンダーだ。
昔は僕も持っていた。マジンガーZ、グレートマジンガー、ゲッター3・・・
ここにあるのは僕の知らない戦隊シリーズのロボットだ。
「ポピー」のロゴも無いので、恐らく後期の物だろう。
箱の中を見てみると、ジャンボマシンダーには必ず付いていた
「用途不明のミサイル」がオミットされている。
ゴレンジャー世代の僕は、「ファイブマン」なる戦隊物は見たことが無いので
これには手をつけず、このまま見知らぬ誰かに購入権利を譲る事にした。
とりあえず、ハデハデファミリアを拾い上げ、
他にもチョロQが無いかと店主に尋ねると
「おんなじ物しかないですねえ」と言って、
アソートの小箱に入った数個のハデハデファミリアを出してきた。
この時、僕が思った事は二つ。
(ファミリアが俺に買ってもらうのを待っていたんだな・・・)
という事と、
(要するにハデハデで一番不人気なのはファミリアって事か・・・)
という、嬉しいやら悲しいやらの複雑な思いだ。

この店には少なくとも、2つの不人気商品が残っていた事になる。
たまたま売れ残ったというより、誰も買わない物なのだろう。
ハデハデチョロQも、アソートボックスには、ランダムだがほぼ均等に
他の車種も入っていたはずなのに、ファミリアだけが5個も残っていたのだから
アソートボックスは最低2箱はあったはずだ。
ファイブマンのジャンボマシンダーも、下北沢の古物玩具店なら数万円で
売られている時代なのに、こんな所で定価でも売れずに悲しく横たわっている。
あれから十数年経つが、今はもうきっと誰かに買われた事だろう。
今は高価な玩具になっているのだろうか・・・・・・