いよいよ年度末です。よいかたちで締めくくり、次年度につなげていきたいものですね。忙しい日々を送っている方も多いかと思いますが、合間に一息つきたくなったら、ぜひ当店へお立ち寄りください。本日(26日)は、当店はお休みをいただきます。また月曜日以降、お待ちしておりますので、よろしくお願い致します。なお、来週の日曜日(4月2日)は、営業する予定であります。
さて、今回はCHET BAKERのレコードを紹介してみたいと思います。今回の盤は、彼の死後、1989年にリリースされた未発表曲集ですが、凄腕のメンバーを揃えた聴き応えのある1枚でありますよ。
「THE BEST THING FOR YOU」 (A&M)
70年代のジャズ界で流行った電化フュージョンの音を取り入れ、賛否両論、物議を醸し出した意欲作「YOU CAN’T GO HOME AGAIN」(A&M)のセッションからのアウトテイク集で、メンバーは、CHET(トランペット、ヴォーカル)、PAUL DESMOND(アルト・サックス)、KENNY BARRON(ピアノ)、RON CARTER(ベース)、TONY WILLIAMS(ドラムス)によるクインテット編成が中心で、1977年の録音であります。ちなみに、プロデュースと編曲は、70年代にCTIレーベルなどで何枚か一緒に制作してきたDON SEBESKYが担当しています。本作では、エレクトリック・ピアノや電化ベースを取り入れ、一部の音は電化していますが、音楽的にはフュージョンやフリー系ではなく、スタンダード曲を中心とした構成になっています。タイトル曲「THE BEST THING FOR YOU」は、CHETのキレのいいトランペットの音色だけでなく、アップ・テンポで刻み続けるリズム隊も心地よく響きます。切なげなメロディの「OH YOU CRAZY MOON」、スインギーな「HOW DEEP IS THE OCEAN」、GENE BERTONCINIのギターとのデュオで奏でる「IF YOU COULD SEE ME NOW」の3曲では、CHETの甘いヴォーカルも聴くことができます。このセッションから当時発売されたアルバム「YOU CAN’T GO HOME AGAIN」にはヴォーカル曲は入っていないので、これらの曲は貴重です。ラストの17分にもわたる長尺曲「EL MORRO」のみ、SEBESKYによるスペイン調のオリジナル曲で、いわゆるフュージョン系の音作りになっています。この曲には、MICHAEL BRECKER(テナー・サックス)、JOHN SCOFIELD(ギター)、RICHIE BEIRACH(ピアノ)など、当時の若手が加わっており、彼らに刺激を受けたのか、CHETも普段よりも力強いトランペット・ソロを聴かせてくれます。本作は、未発表に終わった曲を集めたものではありますが、CHET自身はこのセッションを気に入っていたそうで、その後の定番レパートリーとして残った曲も多く、興味深い1枚でありますよ。このセッションには、さらに未発表曲があり、2000年に2枚組CDとして完全版「YOU CAN’T GO HOME AGAIN」が発売されているので、またの機会に紹介してみたいと思います。
みなさま、ぜひ「BAKER」へお越しくださいませ。初めての方もお気軽にどうぞ。お待ちしております。
Bar BAKER
日野市多摩平1-5-12 タカラ豊田ホームズ107
