さて、今回はCHET BAKERへ捧げられたレコードを紹介してみたいと思います。今回の盤は、CHETの晩年に何度か共演したピアニストによるトリビュートで、ベースとのデュオ編成による繊細な1枚であります。

「ALMOST BLUE」 (philology)
1980年代にCHET BAKERと何度か共演しているMIKE MELILLO(ピアノ)と、ARES TAVOLAZZI(ベース)によるデュオ編成で、1999年の録音であります。MELILLOは、以前紹介記事を書きましたが、シンフォニー・オーケストラを従えたアルバム「SYMPHONICALLY」(soul note)などで、CHETと共演しています。また、こちらも紹介記事を書きましたが、イタリアの歌手、TIZIANA GHIGLIONIとのデュオで「GOODBYE, CHET」(philology)というCHETへ捧げたアルバムも吹き込んでいます。彼のピアノは繊細で寂しげな音色ですが、本作でも「MY FUNNY VALENTINE」や「GOODBYE」、「THE THRILL IS GONE」など、マイナー調の曲が多いこともあって、寂しい印象です。冒頭の「YOU’RE MY THRILL」では、TAVOLAZZIの長いベース・ソロから始まって、ピアノが加わる流れが聴きものです。「HAPPY LITTLE SUNBEAM」や「BUT NOT FOR ME」といったアップ・テンポの曲では、繊細なピアノと骨太なベースが軽快に絡みあう演奏が聴けます。そして、イギリスのロック・スター、ELVIS COSTELLOがCHETに贈った名曲「ALMOST BLUE」では、上記のトリビュート盤で以前にも共演しているTIZIANA GHIGLIONIがゲスト参加しています。彼女が唄っているパートは無伴奏になっていて、繊細で緊張感にあふれたヴォーカルをじっくりと聴くことができますよ。暗い曲が多く寂しい印象のアルバムですが、デュオ編成ならではの音楽的共鳴を静かに味わいたい1枚であります。
みなさま、ぜひ「BAKER」へお越しくださいませ。初めての方もお気軽にどうぞ。お待ちしております。
Bar BAKER
日野市多摩平1-5-12 タカラ豊田ホームズ107