さて、今回はCHET BAKERのレコードを紹介してみたいと思います。今回の盤は、「EAST OF EDEN(邦題「エデンの東」)」や「REBEL WITHOUT A CAUSE(邦題「理由なき反抗」)」の主演で人気絶頂に登り詰めながらも夭折したスター俳優を題材にしたドキュメンタリー映画のために吹き込まれた1枚で、彼の顔が大きく映ったジャケットも格好いいですよ。

「THE JAMES DEAN STORY」 (pacific jazz)
交通事故のため、1955年に惜しくも24歳で亡くなった映画界のスター、JAMES DEANを題材にしたドキュメンタリー「THE JAMES DEAN STORY」の音楽集で、CHET(トランペット、ヴォーカル)とBUD SHANK(アルト・サックス、フルート)の2人がフロントでソロを取り、DON FAGERQUIST(トランペット)、RICHIE KAMUCA(テナー・サックス)、PEPPER ADAMS(バリトン・サックス)ら、総勢10名のホーン奏者に、CLAUDE WILLIAMSON(ピアノ)、MONTE BUDWIG(ベース)、MEL LEWIS(ドラムス)、MIKE PACHECO(ボンゴ)によるリズム隊を加えたビッグバンド編成で、1956年の録音であります(57年録音説もあり)。収録曲をみると、唯一CHETの唄も聴けるスロー・バラード「LET ME BE LOVED」を除き、この映画のために書かれた馴染みのない曲ばかりです。CHETもSHANKも、事前に曲を聴かされずにレコーディングに臨んだそうですが、ビッグバンドのサウンドに埋もれない見事なソロを繰り広げます。譜面に強く、スタジオ・ミュージシャンの仕事も数多くこなしていたSHANKとは異なり、CHETは譜面が読めなかったため、耳と感覚だけを頼りに、馴染みのない曲を初見で演奏して、ビッグバンドと共演しているわけです。そう考えると、改めて感心せざるを得ません。冒頭の「JIMMY’S THEME」は、いかにもビッグバンドらしいアップ・テンポでホットな曲ですが、対照的に「REBEL AT WORK」はクールなハモりが格好いい曲です。また、フロントの2人とリズム隊のみで奏でられる「LOST LOVE」は、CHETのトランペットとSHANKのフルートの絡みがとても美しいバラードで印象に残ります。あくまで映画音楽なので、単体で聴いても面白味は少ないですが、同世代で「ジャズ界のJAMES DEAN」とも呼ばれた若かりし頃のCHETがDEANのための曲を演奏しているという点で、興味深い1枚でありますよ。
みなさま、ぜひ「BAKER」へお越しくださいませ、初めての方もお気軽にどうぞ。お待ちしております。
Bar BAKER
日野市多摩平1-5-12 タカラ豊田ホームズ107