Bar BAKER お気に入り盤紹介138。 | 「Bar BAKER(バー・ベイカー)」のブログ。

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日野市・豊田駅北口「Bar BAKER(バー・ベイカー)」店主のブログです。ウイスキー、ジン、カクテルなど、こだわりの洋酒と音楽。落ち着いた空間で、一息つきませんか?
おひとりさま、初めての方、女性の方も、お気軽にどうぞ。

5月も残り1週間となりました。本日(24日)は、当店はお休みをいただきます。また月曜日以降、お待ちしておりますので、よろしくお願い致します。なお、来週の日曜日(31日)は、営業する予定であります。

そして、次の土曜日、30日の12:00~17:00にかけて、前回の記事でご案内した「第4回豊田ふれあいフェス(豊田クラフトビールまつり)」が開催されます。当店も出店してウイスキー(余市、宮城峡、岩井)を提供しますので、都合のつく方は、お越しいただけると嬉しいです。詳細は前回の記事をご参照ください。なお、当日の店舗の営業は、フェスが17:00までなので、おそらく19:00までには開店できると思います。

さて、今回はCHET BAKERのレコードを紹介してみたいと思います。今回の盤は、夭折した異才、DICK TWARDZIKをピアノに据えたレギュラー・カルテットのヨーロッパ・ツアーにおける未発表のライヴ録音であります。



「THE LOST HOLLAND CONCERT」 (RLR)

CHET(トランペット、ヴォーカル)、DICK TWARDZIK(ピアノ)、JIMMY BOND(ベース)、PETER LITTMAN(ドラムス)によるレギュラー・カルテット編成で、1955年の録音であります。新たなメンバーを得て、意気揚々と初めてのヨーロッパ・ツアーに出かけたCHETがオランダで行ったライヴの2日目の様子をとらえたものが本作で、長らく未発表のままでしたが、2006年にようやく日の目を見ました。CHETのトランペットは、スタジオ・レコーディングで聴くよりもはるかに力強く響いています。本作において、CHETと同等、もしくはそれ以上の存在感を示すのがピアノのDICKです。ソロ・デビュー当時から3年近く相方を務めていたRUSS FREEMAN(ピアノ)に代わって加わったのが、ピアノの異才、DICK TWARDZIKでした。幾多の名ピアニストを生み出した才女、MARGARET CHALOFFに師事してピアノ技巧を学んだそうですが、DICKのピアノ演奏や作曲技法は、クラシックの影響を感じさせながらも、他の誰とも似ていない、まさにオリジナルなものでした。CHETはDICKをとても気に入って、「魂の友」とまで呼んでいました。冒頭の「TOMMYHAWK」では、PETERのドライヴ感あふれるドラムスに煽られるように、CHETも熱い演奏を聴かせてくれます。本作で唯一のヴォーカル曲「SOMEONE TO WATCH OVER ME」では、DICKのピアノの独特な響きが寂しげな雰囲気を醸し出しています。本作の後半には、前半のライヴの3日後のドイツでのライヴが収録されているのですが、圧巻なのが「ALL THE THINGS YOU ARE」です。有名なスタンダード曲ですが、DICKのピアノによる意表を突いたクラシック調のイントロが印象に残りますよ。以前の紹介記事でも何度か書いていますが、DICK TWARDZIKは、この1ヶ月ほど後に、残念ながら24歳の若さで亡くなってしまったため、CHETとDICKの共演したスタジオ・アルバムは、わずか1枚しか残されませんでした。何枚か残されたライヴ演奏におけるCHETとDICKの音楽的共鳴を聴いていると、彼の夭折は残念でなりません。CHET自身も、DICKと吹き込んだ曲を晩年まで愛奏し続け、自叙伝「AS THOUGH I HAD WINGS」のなかでもDICKのことを細かく振り返っていますので、強い思い入れがあったのではないかと思いますよ。

みなさま、ぜひ「BAKER」へお越しくださいませ。初めての方もお気軽にどうぞ。お待ちしております。

Bar BAKER

日野市多摩平1-5-12 タカラ豊田ホームズ107