さて、今回はCHET BAKERへ捧げられたレコードを紹介してみたいと思います。今回の盤は、スペインで制作された1枚で、変則的なトリオ編成の唄ものであります。

「IN MEMORY OF CHET BAKER」 (errabal jazz)
CHETへのトリビュートとしては珍しく、スペインのミュージシャンたちによる吹き込みです。AINARA ORTEGA(ヴォーカル、ヴァイオリン)、RUBEN SALVADOR(トランペット)、ALEJANDRO SATXA SORIAZU(ピアノ)による変則的なトリオ編成で、2014年の録音であります。まず、ヴァイオリン、トランペット、ピアノという変わった編成が興味深いですよね。ベースとドラムスのいわゆるリズム隊がいないので、基本的にはピアノの左手のコードでリズムを刻んでいます。RUBENのトランペットはとても優しい音色で、曲によってはフリューゲルホーンに持ち替えています。AINARAの女性らしいチャーミングなヴォーカルもなかなか味わい深く、冒頭の「IT COULD HAPPEN TO YOU」では、スキャットから始まりますが、CHET同様、ややフラット気味に唄っています。AINARAは、ヴォーカルだけでなくヴァイオリンも担当していて、美しい音色を聴かせてくれます。個人的に、いちばん気に入ったのが「BLUE ROOM」で、ヴァイオリンとトランペットのハモりによる間奏がとても美しいですよ。アップ・テンポの曲も演っていますが、この楽器編成では、バラード曲のほうが引き立つように感じました。また、「ON THE STREET WHERE YOU LIVE」は、スペイン語(おそらく)で唄っていて、かなり雰囲気が違います。ジャケット・デザインが陰気で冴えない感じですが、中身はそれほど暗くないですし、変則的なトリオ編成による演奏を聴くのは興味深いですよ。
みなさま、ぜひ「BAKER」へお越しくださいませ。初めての方もお気軽にどうぞ。お待ちしております。
Bar BAKER
日野市多摩平1-5-12 タカラ豊田ホームズ107