吉川友梨ちゃん。この名前を聞いてピンときている方も少なくないでしょう。
画像や動画がネット上に多数流布され、テレビのニュースでも時に取り上げられる。
比較的よく知られた事件かと思う。
友梨ちゃんの写真を見れば「あ、この子」と合点する人も多いのではないだろうか。
2003年5月20日(火曜日)の午後3時ごろ、下校途中の大阪府泉南郡熊取町七山地区で行方不明になってしまった。
本人は1994年3月31日生まれ、
熊取町立北小学校に通う4年生、9歳(当時)。
事件概要の把握としては次の動画をご覧いただきたい。
https://www.youtube.com/watch?v=Y1-36KEocXQ
「ポリスチャンネル」
というサイトのビデオライブラリーでも、この事件の関連動画を見ることができる。
警察幹部OBらによって設立されたNPO法人制作によるビデオだ。
ぜひ視聴してみてほしい。
熊取町の大まかな位置は、
大阪府の南、和歌山との県境に近いようなところにある。
現場あたりを拡大してみる。
北小学校から続く青い線は、当日の友梨ちゃんの下校ルート。
午後2時40分ごろ、友梨ちゃんは北小学校を出発した。
学校行事(大阪市下水道科学館の見学)との絡みで、
いつもより30分ほど早い下校だったという。
午後2時59分ごろ、友梨ちゃんは赤い点(●)の箇所に達した。
そこで自転車に乗った同級生(男児)とすれ違った。
男児が「遅いね、バイバイ」というと、友梨ちゃんは笑顔を返したという。
黄色い点(●)の箇所は、友梨ちゃんが下校時いつもその前を通っていた商店(大阪屋商店)。
この店の前付近では、友梨ちゃんに関する確かな目撃情報は存在しない。
北小学校から赤い点(●)までは、私の計測で約1.43キロ。
北小学校から黄色い点(●)までは約1.63キロ。
黄色い点(●)の箇所からさらに行ったところに友梨ちゃんの当時の自宅がある。
事件後、友梨ちゃんの失踪をネタにした悪質な詐欺電話がご両親にかかり、ご両親は多額の被害をこうむった(7000万ほど)。
詐欺、いたずら、嫌がらせのたぐいはあり得るようだ。
そのあたりも考慮して、黄色い点(●)から先に行ったところにある友梨ちゃんの当時の自宅の位置は、地図上に示さなかった。
自宅の位置などは、地元~地元近くの人々にとってはあまりに自明なことだろう。
探せばネットでも見つけられる。
どうしてもという方は、自分で探してみてほしい。
現在では、同級生男児によるほぼ間違いのない目撃情報がある赤点(●)の箇所から、黄点(●)までの約200メートルの間に車で拉致された、との見方が有力なようだ。
不審車としては以下の5台が挙げられている。
(1) 赤い乗用車(スポーツカータイプ)
(2) 白のバン
上記の2台は現場近くの路上に駐車されていた。
(3) 黒っぽい車両(セダン)
黒のセダンは女児が姿を消す前にも、七山地区で5回目撃されており、現場を徘徊していた可能性がある。
女児の消えた午後3時頃、女児の自宅前を猛スピードで走り去るところが目撃されているという。
(4) 白色の乗用車(クラウンかカムリクラスのセダン)
これは現場近くに停められており、運転席に「短髪の男」が乗っていたという目撃証言がある。
(5) 白色の乗用車(クラウン)
この車種不明の白色車両については、2014年11月に新たな目撃証言として寄せられた。
2018年(平成30年)5月、泉佐野署捜査本部は、事件当日の15時頃(前述の男児による目撃時間から僅か1分後)に女児の自宅から南西に約350メートル離れた丁字路(男児が目撃した地点から50メートル)で、白色のクラウンに男と小学生くらいの女の子が乗っていたという新証言を2013年(平成25年)5月に得たことを明らかにした。
目撃者によると邪魔な位置に白いクラウンが停まっており、タクシーが迫る中で追い越しの際に白いクラウンを見ると運転席に座っていた男と目が合い、助手席には白い服を着た女の子が俯いて座っていたという。事件当時の女児は小学校の制服である白いブラウスを着ており、服装が一致しているため大阪府警はこの目撃を有力視し、車の女の子は友梨ちゃんであると見ている。
目撃されたクラウンは角張った車体が特徴で、1983年(昭和58年)から1990年(平成2年)製の旧型車両。対象車両は約2300台であり、当時の所有者に事情を聞くなどしているが有力な情報は得られていない。
上記5台について、所有者・ナンバーなど詳細は不明だが、現在大阪府警が捜査中とのこと。
有名な事件でもあり、ウィキペディアの内容はかなり充実している。
一部、特定の地点間の距離に関して私の測定と違う部分もあるが(私が間違っているかもしれない)、今回触れなかった詳細や時系列など非常によくまとめられており、是非、参照していただきたい。
大阪府泉南郡熊取町小4女児誘拐事件(ウィキペディア)
テレビやネットで時折目にする通り、ご両親や警察、有志の方々による捜索はいまだ続いている。
2007年、事件は公的懸賞金制度の対象となり、300万円の懸賞金がかけられている。