訳すと「幾何学」という意味で、座標を持った点、線、曲線、面などを言うようですが、
スポーツ車の場合、
フレームを形成しているトップチューブ(上パイプ)やシートチューブ(縦パイプ)など8本のパイプとフォーク、それぞれのパイプの長さと角度の値をジオメトリと呼んでいます。
実はジオメトリの設定は、ロードバイク・ツーリングバイク・ピストなど、車種や用途によって違ってきます。
◆車種・用途による違い
たとえば、リアセンター(後輪の車軸からBBの中心までの長さ)一つとっても、ロードバイクはスピードを重視するため短め、ピストは更に短くして、こぐ力のロスを少なくしています。
ツーリングバイクは泥除けを装着するため、あるいはリアにサイドバッグを装着したときに、踵がバッグに当たらないように長めになってますが、この長めにすることで振動吸収性が良くなり、長距離向きになるわけです。
またこのジオメトリ、同じ車種でもシートチューブ・トップチューブ・シートアングルなどは、乗る人の体格により異なってきます。
◆乗る人の体格による違い
では先日、納車させていただいたロードバイク、ラレー「CRF」の480㎜と560㎜のフレームサイズを例に、ジオメトリを比較してみますね。

A | B' | C | D | E | G | H |
480 | 514 | 575 | 410 | 975 | 75.5° | 72.0° |
560 | 540 | 585 | 410 | 985 | 74.0° | 72.5° |

フレームサイズ480㎜のトップチューブは514㎜(スローピングフレームのためホリゾンタルに換算)と短めなので、フロントセンター(前輪の車軸からBBの中心までの長さ)を、つま先と前輪が接触しないように設定する必要があります。
そこでサイズが小さいロードは、ヘッドアングルを寝かせ、シートアングルは立てることで、フロントセンターを確保しているわけです。
大きいサイズの場合は、できるだけコンパクトになるように、小さいロードとは逆にヘッドアングルを立て、シートアングルを寝かせることで、フロントセンターを短く設定しています。
トップチューブ26㎜の差が、ホイールベースの数値を見てみると、10mmの差になっていることからも分かりますね。
このようにジオメトリで、車種や乗る人の体格による違い、さらには操作性や乗り心地など、さまざまなことが読み取れます。
今回は、ほんのさわり程度のことをお伝えしましたが、
いろいろ調べてみると、おもしろいですよ!
各メーカーのカタログには車種ごとにジオメトリが載ってますので、いろいろ見比べてみたら、いかがでしょうか。
けっこう、はまりますよ^^