今年に入って下げどまらない仮想通貨市場ですが、今回はいつ調整が終わるのか、その時期について予想したいと思います。
その前に、去年のような上昇がなぜ起きたのか、年初からの暴落がどうして生じたのか、その理由について考えてみたいと思います。
去年は軒並み仮想通貨が暴騰しました。
ビットコイン 14.1倍
ライトコイン 50.4倍
イーサリアム 89.8倍
リップル 328.1倍
主力のコインでも、年初からの上昇率が100倍を超えるものが出ています。
このような仮想通貨の上昇は、その将来性が先取りして評価されたものです。
近い将来にブロックチェーン技術が社会のあらゆるところで応用されて、インターネットのように普及するということで未曾有の大暴騰をしました。
かつてのインターネット相場を思い浮かべれば、その状況はわかりやすいでしょう。
しかし、インターネット相場と違うのは、現実的に言えば、仮想通貨は実生活ではまだほとんど普及していないということです。
例えばコンビニやファミリーレストラン、家電量販店やホテル、乗り物、アマゾンや楽天のような大きなネットショップ。
このような場所では一部を除いて、ビットコインのような仮想通貨での決済はまだ一切できません。
このような現実があるので、いくら将来性があっても、実社会での必要性において、仮想通貨の需要が拡大するというわけにはいかなくなっています。
つまり、去年の仮想通貨の暴騰はあくまで、将来の有用性を見越した「理想買い」に過ぎなかったということができます。
これまでの仮想通貨市場のパターンとして、将来的な可能性が評価される時期は相場が暴騰してあらゆるコインが上昇して、国家による規制やハッキング事件などが話題になるといっせいに下がるというサイクルになっています。
しかも、目先のひとつひとつの材料で動いているというよりも、将来性が評価される時期と普及の遅れと規制が嫌気される時期とが交互に来て、上昇と下落のサイクルを作り出しています。
これから先、完全に底打ち反転して、去年のような上昇をするには、「現実買い」の要素がでてこなければならない、と思います。
つまり仮想通貨が実社会で使われるという現実面の動きがあって初めて、大底から反騰してゆくでしょう。
それはそう遠い先の話ではないですが、もう少し時間がかかると思います。
仮想通貨の普及というのは目先の動きではなく、それこそ何十年がかりで社会を変えていくような話なので、「理想買い」が「現実買い」に移るまで数ヶ月で済むということはありません。
インターネット株は2000年4月に最初の大天井をつけていますが、それから2年間は完全に低迷しました。
ビットコインも2013年末に大幅上昇したあと、3年間は底ばいの状態でした。
今回の天井のあとの調整も、1~2年はかかる可能性があります。
ただ、ネット株もビットコインもあとで暴騰したように、長いトンネルの先には実に壮大な上昇相場が待ち構えていることでしょう。
今はその大きな飛躍の前の準備段階だということができます。