■第217回「嘘やごまかしの仕組み」
■子供のトラブルとしてよくあるのは、「Aさんが陰で悪口言っています」というタレコミです。
■このケースで困るのは、教師自身が直接聞いたわけではないことです。
当然、教師の聞こえるところで堂々と陰口を言うことも考えられないと思います。
(聞こえる程大きな声で言っているということは、そもそも陰口ではない)
■こうした苦情があったときに、「じゃあAさんに聞いてみるね」と答えて、
Aさんに尋ねてみても、Aさんが認めることはないでしょう。
■ここで「他の人がそう言っていたよ」「正直に言いなさい」というと、泥沼にはまり、
聞けば聞くほど、Aさんも強情になり、決して認めなくなる可能性もあります。
■そもそも人間には、「自分を正直で立派な人物だと思いたい」という「自我動機」と言われるものがあります。
このイメージが自分の中で崩れない範囲、自分の許容できる範囲で、ごまかしや嘘をつきます。
(ずる 嘘とごまかしの行動経済学より)
■嘘をつき、ごまかしたということは、Aさんにとってこの嘘は、自己イメージを保てる水準での、
許容できる嘘ということです。
■そうであれば、ここにどれだけのプレッシャーをかけたとしても、
Aさんの中で「これくらいの嘘はついても、自分は悪くない」「正当な嘘」「やむを得ない」などと思っている限り、
本人が素直に認めることは難しいように思います。それこそ、その場しのぎになる危険性もあります。
■人の根本的な部分に、「自我動機」があるならば、その水準を高め、道徳規範の緩みが起きにくいように、
日ごろから声をかけていくことが大事ではないかなと思いました。
