「前回までのあらすじ」
声優なんて、事務所におだてられたか、脅されたかで無理矢理CD出してるだけだ!!
などという偏見に凝り固まっていた俺は、たまたまCMで耳にした茅原実里さんの歌う「Paradise Lost」のメロディーの美しさ、ドラマティックさ、そして何よりも彼女の確かな歌唱力に衝撃を受けた・・・。
・・・またまた個人的な考えというか偏見で恐縮だが、俺は昔から「役者は芝居だけやってろ!!付け焼き刃の音楽センスで歌なんか歌うな!!」と考えている。基本的にこの考え方は現在も変わらない。
歌が下手なクセにドラマとか映画の主題歌を無理に歌ったりしてる役者さんって多いじゃない?
例えば、安田成●、倉田てつ●、反町隆●、中谷美●、etc. ・・・。ファンの人にお叱りを受けそうだけど、ああいうの昔から納得いかないんだよ。
歌うことが好きならともかく、自信がないのなら断れっての(笑)
そのドラマや映画の魅力も半減しますよ。
声優という仕事も、広い意味での「役者」だけど、やっぱり「歌の上手い、下手」は別にしても、本当に「歌うことが好き」な人にだけ音楽活動をやってもらいたいわけよ。最近のアイドルとかでもそうだけど。
誰でも彼でもCDを粗製濫造してたら、それこそ資源の無駄になりますよ(笑)
ある有名な日本の編曲家で「日本の音楽はレベルが低いから自分の子供には聴かせない」とおっしゃっている方もおられますよ。音感が悪くなる、って。
前置き(というか文句タラタラ 笑)が長くなったが、茅原実里という声優アーティストは、俺の偏見を打ち砕いてくれた。
おかしな言い方かもしれんが、彼女の歌い方、声質は「それまでの俺だったら受けつけないタイプ」だったのだ。
誤解を恐れずに書かせてもらうが、俺は男女問わず「綺麗すぎる声質」「ヴィブラートしない、あるいはヴィブラート成分の乏しい歌い方」といったタイプのシンガーが昔から苦手である。
例えば、RUSHのゲディ・リー、元YESのジョン・アンダーソンetc. ・・・。もちろん、彼らは素晴らしいシンガーであるし、彼らの音楽も唯一無二の高度なものであることも理解しているつもりだ。
だが、シンガーとしてはあまり好みのタイプではない。
茅原実里さんも、自分にとってはそういう「苦手なタイプ」に分類される・・・はずだった。
なのに、どうだ・・・。試しに聴いてみた「Parade」で、一発で彼女の声、唱法に魅了されてしまった。
濁りのない声。ヴィブラート成分の少ない、ストレートな唱法。・・・なのに、感情表現ができている。
歌詞の世界観を真っ直ぐに伝えられる説得力にも満ちている。
このアルバムには、彼女自身のペンによる歌詞が一つもないのにもかかわらず、だ。
バラードの「光」なんかは、情景が浮かんでくるだけでなく、歌詞に登場する男女(・・・まあ、茅原さんご自身も、多少なりともああいった別離をご経験しておられるのだろうが)の「それまで」と「これからの道」
をも想像せずにはいられない。
このアルバムの中で、個人的に最も好きなバラードである。
元はといえば「Paradise Lost」一曲目当てで入手したアルバムではあるが、負けず劣らずドラマティックな「蒼い孤島」はもちろんのこと、洋楽メタルにどっぷり浸かってた頃の俺なら、恐らく聴こうとも思わなかっ
たであろう明るい曲調の「Prism in the name of hope」「Lush march!!」までも、すぐ好きになってしまった。
聴いた人が自然に励まされる声。澄みきった青空を思わせる歌。ある種の「神々しさ」すら感じさせるシンガーだ・・・と言ったらホメすぎだろうか?(笑)
・・・ここでは「声優」としての茅原さんに触れるつもりはなかったので余談になってしまうかもしれないが、このアルバムを聴いてから、彼女の出演作品も観てみた。
「喰霊-零-」はもちろんのこと、台詞が比較的少ない(笑)「聖痕のクェイサー」、そして「ある作品」も。
「ある作品」では、何と彼女が「悪役」を演じている。
(最近、茅原さんのファンになった方に対してネタバレにならないように、あえて作品名は伏せておく)
またまた個人的な考え方で恐縮だが、役者は「悪役」「憎まれ役」を演じられるようになってこそ、初めて「一人前」といえるのではなかろうか?
それは声優さんであっても同じであろうと想像する。
その作品での茅原実里さんの狂気に満ちた演技に、所謂「アイドル声優」から「本格的な声の役者」への「脱皮」の瞬間を見せてもらった気がする。
(TO BE CONTINUED・・・)
