GO! GO! グレコ(その3) | おんがく・えとせとら

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おんがく・えとせとら-up

 先にグレコGOIIIを紹介しましたが、別に79年製のGOを所有しております。20年ほど前に中古で入手したもの…楽器はほとんど中古品しか買わない…ですが、当時はまだそれほどGOの人気も上がってなく、多数傷アリ、ペグの1個が裏蓋欠損ということもあり、安く購入できました。

おんがく・えとせとら
おんがく・えとせとら-back

 GOは、70年代に人気のあったアレンビック、BCリッチ等のスルーネック・スタイルに呼応して、77年にグレコが発売したオリジナル機です。発売当初の和田アキラによるCMも印象深く憧れていたのですが、当時は大幅な資金不足で購入できませんでした。

 本機は24フレット→22フレット、フラットトップ→アーチドトップ、にマイナーチェンジされた所謂「後期型」の最廉価版GO-700。
 買ってはみたものの、音はイマイチ、特にリアPUのパワーがフロントに比べて著しく小さく、チューニングも合わない、重い、という難点が気になり、いろいろ改善策を試してみました。チューニング対策のためナットをカーボン製に、ペグをスパーゼルに交換し、PUはよく見たら4芯になってるのでリアのパワー不足はひょっとしたら配線間違いが原因では?ということで、コイルタップ・スイッチを増設してみたり。

おんがく・えとせとら トラスロッド・カバーもギブソン風に着色

 結果は…チューニングの狂いは、要は押弦時やチョーキング時などに引っ張られた弦が元に戻らないことで発生するので、単にペグやナットを換えただけでは直りません。また、PUも正常に配線されており(当たり前だ!)、タップスイッチを使ってもパワーの差は改善されませんでした。
 ということで、一時ギターシンセのドライバーをくっつけて使ったくらいで、その後は長期間放置しておりました。

おんがく・えとせとら-inside ハイパス・コンデンサーはオレンジドロップ0.001MF

 それが、少し前から始めた「所有機総ハイパス・コンデンサー装着計画」の一環で、このGO-700にもお鉢が回って来て、今回チューンアップに再チャレンジすることになったのです。
 前回いじくった際にボリュームが「0」にならないというミスもあったため、配線は全面的にやり直し。ボリューム、トーンとも1つずつあれば十分なので、手元から遠いリア用のポット2つは配線を外し、アース接地用とノブ固定用としました。
 上の写真は裏蓋を外した改造後のザグリの様子ですが、元々のポット4つ、ジャック1つのためのザグリとしては大きく、形がイビツだと思いませんか? ジャック近くの矩形の穴はどう見ても不自然です。これは別のパーツを装着する時のために、大きめに空けられているに違いない。

$おんがく・えとせとら-INSIDE GRECOの写真館」から借用いたしました

 上の写真は比較用の初期型GO-1200の内部配線です。ジャック付近の矩形の穴は電池収容スペースだったんですね。イコライザー用のポット、各種スイッチなどいろんなパーツを最大限詰め込めるように広めの穴が掘られているワケです。ただし、700の穴はシールド処理されてませんね。
 1200も700もザグリ形状が変わらないということは、ボディは上級版も廉価版も共通、価格差はその他もろもろのパーツと仕上げの程度によるということでしょうか。700のボディ材質は、カタログではセン/セン/センの3層構造となっていますが、本機は中層にマホガニーが使われています。裏は何だろ?


 さて、今回の改造。最終的にハイパス・コンデンサーを装着してみると…あら不思議、ボリュームを絞るとカリカリした程良いクランチトーンが!特にシングルコイルはストラトよりパンチがある、P-90に近い感じ。PUは低出力のように思いましたが、直流抵抗値はダブルコイルで9.15kΩ、シングル7.7kΩとそこそこです。なかなか侮れないPU-3D。
 アンプは、サウンドハウスのレビューでやや酷評してしまったフェンダーのスーパー・チャンプXDです。このアンプ、つくりはチャチですが、なかなか素晴らしい音がします。専らNo.3のツイード・オーバードライブ・チャンネルを使ってますが、アンプとの相性でずいぶん音は変わるもんだと改めて実感させられました。
 チューニングは、ナット溝に鉛筆の芯をこすりつけることで、なんとか克服しました。