レス・ポール大名鑑 | おんがく・えとせとら

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 月刊「ブルース&ソウル・レコーズ」を出しているP-VINEから、「ブルース・ギター大名鑑」に続く特集本「レス・ポール大名鑑」が発売されています。前作と同じ判型で¥3,990、ちょっと高いです。前作が未だ購入に至らぬまま、ふらっと立ち寄った書店に置いてあったので、こちらは内容を見て即購入しました。帯にあるのに気づきませんでしたが、2,500部限定販売だそうです。

 本書は、ロブ・ローレンス氏(Robb Lawrence)著「The Early Years of the Les Paul Legacy 1915-1963」の翻訳本のようです。原題は訳すると「レス・ポールの遺産・初期編 1915-1963年」。邦題はタイトルのニュアンスがちょっと違うような…。前作に合わせてのネーミングだと思いますが、内容からすると「名鑑」はやっぱりおかしいでしょう。

 本書は、故レス・ポール氏の祖先(ドイツ系移民)の話に始まり、SGから名前が消滅する1963年までを扱っています。今まで見たことのない写真や図版も豊富で、なかなか興味深い。ギターの「レス・ポール」関連本はたくさん出ていますが、ギタリスト「レス・ポール」を紹介したものはそれほど多くありません。本人に関心のある人にはこれ以上ない作品です。
 原書の発刊は2008年3月ということで、まだ本人が存命中のことです。もしかしたら一昨年公開された映画「レス・ポールの伝説」もこれに触発されて制作されたのかもしれない。

 さて、本書巻末には「インターミッション(一時中断)」との表示があり、続編が出ることが示唆されてます。原書では既に昨年12月に続編「The Modern Era of the Les Paul Legacy: 1968-2009」が発刊されているようです。68年は最初のリイシューモデルが発売された年ですね。生産休止中の64-67年を指して「一時中断」ということなんでしょう。翻訳本はいつ出るか分からないし、原書の方が安いので、そっちを買っちゃおうか…。

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 本書で確認できる新しい発見をひとつ。Eクラプトンがクリーム初期に使用していた3PUカスタムは、その後、アルバート・リーに譲られたそうです。弾かないギターは高価でも惜しげなくあげちゃう!太っ腹です。同機をうれしそうに抱えるAリーの大きな写真が掲載されていますが、よく見るとヘッドの4-6弦側バインディングに3箇所の焦げ跡が。ストラトだけじゃなかったんですね。ECはかなりのニコチン/葉っぱ?中毒だった。

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 P-VINE前作「ブルースギター大名鑑」。ブルースに特化した切り口はGOODな企画ですが、いろんなギターを解説してるため、1個あたりの分量が少なく多少物足りない感じ。