カセットテープ | おんがく・えとせとら

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 来月引越をすることになり,現在荷造りの真っ最中です。
 現在の借家には10年近く住んでた勘定で,部屋の奥からはいろんなモノが出てきます。古い雑誌,封を切ってないものもある郵便物の束,修理用のため外して行方不明になっていたエレキ・ギターのバックパネル等々。
 移動に関して,処分を迫られたのがビデオとカセットテープです。ビデオは家族の映像記録をはじめ捨てられないものもあり,とりあえず持って行くと。CDと重複してたりYouTube等で代用の効くカセットテープは大半が廃棄処分に。
 以前,内容をチェックしてとりあえずテープ表面にタイトルだけ殴り書してたのが幸いして,選別はスムーズに進みました。

 カセットテーブが我が家に導入されたのが30数年前の学生時代。当初はテープ自体もそこそこの値段だったため,メーカー品を避けて割安なプライベートブランド(PB)品を買い,なおかつ何度も録り直しして使ってたもんです。

 今回の処分作業の中で出て来たのが以下のメンメン。

おんがく・えとせとら-tape 左からCO-OP,BARON,ダイエー

おんがく・えとせとら-daiei
 今は見る影もないダイエー。西日本では九州を除きほとんど店舗がなくなってしまいました。初めてのギターを買ったのがダイエーでしたが…。
 写真のテープは昭和50年頃の製品ですね,グレードの高い順にELH,LH,LNの3種類があったことが分かります。普及版のLNでも90分テープが¥470。5本買うとLP1枚の値段に匹敵するくらい。上位版は当然値段も張ったでしょうし,気軽に買えたシロモノではありませんでした。

おんがく・えとせとら-baron
 これは昭和50年後半頃の商品か? レンタルのRCサクセション・ライブ盤が録音されてました。
「バロン」は,全国の家電量販店12社(レーベルに記載の紹介文によると「超一流大型電気店」!)の協同出資会社である(株)全家電量販協同仕入機構(JEMS)が発売していたブランド。
 昭和46念に設立されたジェムスは全国大手チェーンとの競争の中で加盟店が減少,1999年に「マックス」に改称したものの,2000年以降には消滅したようです。当時の購入先の店は現在ハードオフのフランチャイジーに。それはそれで現在も時々お世話になっているのですが。

おんがく・えとせとら-coop
 昭和50年代半ば頃に大学生協で買ってたテープ。「日本生活協同組合連合会」「大学生活協同組合連合会」の共同扱いになってるので,一般生協でも販売されてたのかもしれません。

 当時,訳の分からん格安輸入品もありましたが,ビニールに着色しただけじゃないかと見まがうような粗悪品もあり,それらに比べるとこれらのPBはどこかのメーカーからOEM供給を受けていたはずで,十分使用に耐えうるものでした。
 ただ,50年代半ば以降は,TDKや日立マクセル等の老舗に対抗して,富士フィルムやBASFなどの市場参入もあって値段も下がり、バブル期のブランド志向も手伝ってか,PBの存在感は薄れてしまったようです。

 今回の一斉処分の際に,家内と「物持ちがいいねえ」「10年前の配布用共通メディアはまだテープが主役やったんやで」「レンタルレコードを一所懸命借りて,こんなに投資したのは何だったんだろうね」というような話を。
 10年前はカセットからMDへの過渡期(ほとんど現物を見たことがないけどDCCなんてのもありましたね。)で,その後,CD-R,MP-3と記録媒体の主役は次々交代しています。振り返ってみるとカセットテープは20年近く使っていたわけですが,デジタルの時代になって技術の寿命はだんだんと短くなってることに気づかされます。