
84年Master Seriesカタログ…ULTRAモデルのポジションマーク。実にシンプル。
先日の記事に続いて,80年代以降のフェンダーの動向を。
フェンダーは,80年代初頭に,ギブソンのコピーでなく,高い演奏性,操作性を持つギターについて新しいラインアップの計画に着手し,81年に現社長のビル・シュルツ氏(William (Bill) Schultz)とともにフェンダーに入社した,ヤマハUSA出身のダン・スミス氏(Dan Smith)のアイデアを元に開発が進められます。
スミス氏の当初のアイデアは,ソリッドボディ内に空洞を設けることで,ホローボディギターのような響きを実現できないか,というものでしたが,そのアイデアの延長としてフレイム(Flame),エスプリ(Esprit)が制作され,これに名工ジミー・ダキスト氏(Jimmy(James)D'Aquisto)のデザインによるフルアコ・ダキスト(D'Aquisto)をあわせた計3機種が,マスターシリーズとして84年に発表されます。
開発当初のコンセプト「ギブソンのコピーでない」という点に「十分意識はしてます」というニュアンスも窺えますが,いずれもフェンダー独自の製品として仕上がってますね。ダキストに至っては,「世界の王選手・長島選手が見逃したんだからストライクであるはずがない」という「王ボール」「長島ボール」と同様に,ギブソンとて文句のつけようがないでしょう。

当時,フェンダーにはこれらのデザインを製品に反映させられる技術がなかったため,すでに82年のフェンダー・ジャパン設立を通じて提携のあった富士弦楽器に製造が委託されたようです。さすが,海外メーカーへも様々なタイプのギターをOEM供給していた日本の技術!
日本製であるマスターシリーズはフェンダー・ジャパンのカタログにも同時に紹介されており,本家の製品との区分が明確ではありませんが,フェンダー直系のギターとして位置づけていいのではないかと思います。
フェンダー・ジャパンのカタログフェンダー・ジャパンのカタログによると,それぞれのモデルの定価は以下のとおりです。
ダキスト・アルトラ以外は,大きな価格差はないようです。エスプリはフレイムより若干ボディが大きい。
●D'AQUISTO
ULTRA ¥410,000(受注生産)
ELITE ¥160,000(受注生産)
STANDARD ¥140,000(受注生産)
●FLAME
ULTRA ¥160,000
ELITE ¥140,000
STANDARD ¥120,000
●ESPRIT
ULTRA ¥160,000(受注生産)
ELITE ¥140,000
STANDARD ¥120,000
1984年,当時はまだ消費税のない時代でしたねえ。(89年4月1日から3%でスタート)