ジョン・メイオールの改造ギター | おんがく・えとせとら

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左からEクラプトン,Mフリートウッド,Jメイオール,Jマクヴィー

 ジョン・メイオール(John Mayall)は,アレクシス・コーナー(Alexis Korner)と並ぶ英国ブルースの始祖であり,ブルースブレーカーズのリーダー。

 キーボード、プルースハープ以外にギターも演奏しますが,プレーヤー,シンガーとしてよりも,自ら率いたグループから,エリック・クラプトン,ミック・フリートウッド,ジョン・マクヴィー,エインズレイ・ダンバー,ピーター・グリーン,ミック・テイラー,ハービー・マンデル,アンディ・フレーザーなどを輩出したことの方が有名です。「王貞治を育てた」以外に評価のない荒川コーチみたいなもんかな?
 確かに,ブルースをやるにはあまりに声がストレートでコブシも回らず,クラプトンのギターで評判の「John Mayall With Eric Clapton」も歌が艶消しです。
 アンディ・フレーザーは71年にフリーで来日した折りのインタビューで「メイオールと一緒にやってたことは何の足しにもならなかった。計算高く主体性がない」(シンコー・ミュージック「Live In Japan60's~70's」より)と酷評してます。

 もう一人の重鎮アレクシス・コーナーも渋い声はしてるものの,出たがりの素人のおっさんの域を出ておらず,ギターもハリガネを引っ掻くような音でこれまたボルテージを下げますが。

alexis Aコーナー(右)とSマリオット



 さて,ジョン・メイオール。彼はギターをコンパクト化するのが趣味のようで,何本かのボディを切り刻み,今日に至っています。DEVOのラ・ベイ(バイエ?La Baye)2×4ギターも真っ青。

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 初期に使用していたギター。セミアコ(メーカー・モデル名不明)はさすがにボディを削っていないが、無理矢理12弦仕様にしてある。真ん中と下は見事に変形。穴だらけのレス・ポールっぽい下側のはストラトだが、真ん中は?

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 冒頭のブルースブレーカーズの集合写真でも抱えてるネーム入りギター。これも元ネタ不明。

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marvin Burns Marvin
 その昔,ヤマハ音楽振興会発行の月刊誌「ライトミュージック」で,ヤマハ・ブルージーンズの改造品と紹介されていたモノ。2本のレールが斜めに横断したテールピースやヘッド先端のスクロール,12フレットの3点ドットから判断すると,バーンズのマーヴィン(Burns Marvin)あたりかと思われる。

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 PU等の感じから、フェンダー・デュオソニックあたりの改造品と見られる。アウトプット・ジャックはボディサイドに。ストラップは首に回さず、肩に引っ掛けるだけのスタイルを固持している。

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 割とボディは残っているが、エピフォン・オリンピック(Olympic)。所謂バットウイング(蝙蝠の羽根)形のヘッドに,シングルコイルPU1個の仕様。

 次はストラトの改造品3例。
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 真ん中はスクワイア(Squier)ブランド、一番下はローラーナットが付いているようでストラト・プラスかもしれない。

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 改造ギターだけじゃなく,普通のギターも弾きます。といっても,これも珍しいギター,ヴォックス・テンペスト(Vox Tempest)。ヴォックスは英国のブランドだが、これはイタリア製。ストラトのデフォルメ具合がなかなかカッコいいのだ!