さて、私のデキモノちゃんの今。

T医師により、”敵の大将の首”と命名されたデキモノちゃん。

 

T医師の、「今、何人か外陰の患者さんを診ている」という発言についてちょっと考えてみる。

総務省の統計によると、去年の9月時点で、日本人の人口は、約1億2500万人。メラノーマ患者は10万人に1~2人なので、約2000人。そのうち外陰原発の割合は約2%だという。これが年平均だとして。

かなりざっくりで、日本において私と似たような患者は粘膜にかかっていることを考慮しつつ多く見積もっても毎年20人くらい×○年=現在(生存)何十人? 告知時期がバラバラの数十人の、そのうちの「何人か」が中央病院にいるということになる。

想像だけど、外陰の患者はほぼT医師だけに集中していることだろう。そういえば、メラノーマに限らず外陰部のがんの手術を、数百例扱った経験があるらしい。外陰に特化して詳しい皮膚科医…。そりゃ、会陰の扱いが完璧なわけだね!

もとい、みなさんのデキモノちゃんは、どんな感じなのでしょうか。

 

当初、頭のてっぺんがちょっと白いというか、クリーム色だった。その後、クリーム色部分は少なくなり、別の「白くなっている」部分が、全体のあちこちに断片的に現れている。そして、その白さが、漂白されたかのような色彩なのだ。

布巾を塩素系漂白剤に浸けた時のような…。人間の身体に、こんな色の部分があったらマズイだろって不安になるような…。昼光色の蛍光灯みたいな、眩しい白が股間の奥に…。

 

その白さと、小豆色と、血管が透けているもともとの粘膜の赤っぽさ。形状も、1ヶ月ほど前までは、すんなりスベスベとした表面だったのだが。今や、小豆をくっつけたようなボコボコとした形状で、カラフルなデキモノちゃん。まさに闘いの最前線。メラノーマのハンバーガーヒル。

我ながら、これは本物なのか?と思う(笑)。ハリウッドの特殊メイクじゃないの?みたいな。

 

12月からだいたい週1くらいで自宅で撮影をしていてふと気付いたのだが、私のメラノーマは小陰唇原発でデキモノちゃんは完全に粘膜属性だけど、シミはちょっと大陰唇にもかかっている! 以前、粘膜だけと書いたけど間違いだ。皮膚にも浸潤していたんだな。だから診察では、皮膚科医が観察慣れしている皮膚の、大陰唇のシミに注目していたのだと思う。

 

一般的に、がんは手術で取ってしまう。取れないところはCTやレントゲンやエコーで見るしか出来ないようなところ。これはメラノーマでも例外ではない。

が、私の場合は切除出来ないのに、手で触り、この目で直に観察出来てしまうがんなのだ…。

そりゃプロは慣れているだろうけど、私としてはもう日々の変化に驚きっぱなし。いや、プロとしても驚きのケースなのかもしれないけど。

毎日毎日、自分のがんを観察出来ちゃうなんて。出来ちゃうというか、せざるを得ないというか(苦)。目視しないにしても、丁寧な洗浄が重要なので、つい、指という名の目で感じてしまう。

 

ヤケクソ的な、”ちゃん”付け呼ばわり。だって敵の大将の首がいつもココにあるんだな、なんて、やっぱり気分が暗くなるよね(笑)。しかもきっと血みどろザンバラ髪の(笑)。

グッバイ、デキモノちゃん…。新年を迎えてからしょっちゅう、胸の内でそんなことをつぶやいている。

 

本年もよろしくお願いいたします。