ちまたでは、オプジーボの名前は徐々に浸透しつつある。
がんを治す夢の薬として大々的に宣伝してしまったせいか、「がっかり」してる人も少なくないと言う。また、とてつもなく高価な薬という意味でも世間を騒がせている。
折しも今朝の日経新聞の一面トップは、高価な新薬の話だった。もちろんオプジーボも入っていた。
ところで、原点に立ち返って欲しい。手術で根治が難しいがんの患者には、夢の薬なのだ。
立場が変われば、評価も変わる。そんな単純な話かなと思う。
恩恵を受けたメラノーマ患者の絶対数が少な過ぎて、声が届かない。それだけの話ではないか。
10人中3人しか効かない、という話は実は少々違うらしい。
腫瘍の大きさの3割が縮小して、さらに小さくなっていく、その過程をたどる『奏効』と呼べる人が3人だけなのだ。
残りの7人のうちでは、少なくとも進行が止まる人もいる。進行さえ止まれば、メラノーマと共存していくことも出来る。オプジーボというのは、そんな可能性を示してくれる免疫療法薬だ。
もちろん、まったく効かない人もいるし、重篤な副作用で投与中止、または副作用で亡くなる人もいる。
自分のがんには効かないかもしれないこと。副作用が危険すぎること。
それらを踏まえてもなお、私の様な立場の患者にはありがたい薬なのだ。
なぜなら、免疫療法薬がこの世に生み出されていなかったら、私は12時間かけて、各器官をごっそり取り去る大手術を受けざるを得なかった。根治の確率が低いのに、その後のQOLに苦しみながら、いずれ確実にやってくる転移に怯える日々だっただろう。もしくは何もせず、ただ死を待つばかりだった…。
今、そんな治療を選択せずとも済んでいる。それがどれほどの有り難みか。
でも、オプジーボがダメで、次のヤーボイもダメだったらどうなるのか。手持ちの駒は?
それは、その時に考えればいい。
まずは元気に来年のお花見をすること! それが目標なのはずっと変わらないのだから。
オプジーボ初回なので、念のために入院をして投薬をするという。
10月4日から2泊3日の入院となる。