婦人科にて、画像等の検査結果を踏まえつつの今後の治療相談。

夫がまたもや仕事を休んで付き添ってくれた。

 

今度こそやっとH医師とご対面。1日の土曜日に直電をくれた医師だ。

まず、検査お疲れ様でした、と。

現在のジェットコースター(もちろん降りね)状態では、こんな言葉ですら沁みる。

だって実際、本当に疲れたのだ…食事を抜いて毎日出歩いたり、痛い思いをしたり不安になったり。この私の体重が減るほどに(笑)。

検査結果はほぼ異常なしとのことだった。肝臓は無事だ! これは何よりの朗報だった。あ、脳も卵巣も子宮体もね。だが、子宮頸部にメラノーマからの腫瘍がありますとのこと。

これについての自覚症状はまだないから実感はないが、症状が進めば出血や痛みが出てくるのだろうか。ああ嫌だなあ。

治療としては、外科治療(手術)か化学療法ということになると言う。

「ひとまず内診しますが、ちょうど悪性腫瘍の専門家がそこにいますので」と言われて診察台へ。

うわあ、やっと初めて扱いの優しい婦人科医に当たった。別の病院で修業したのかと思うほどに手技が優しい。いやこれは、性格の問題なのだろうな。ひとつひとつ、ちゃんと声掛けもして、そっとやってくれた。うう、ほらやっぱりこんな婦人科医だっているわけで。

この世の全ての婦人科医にお願いしたい。内診はなるべくなるべく!なるべく優しくしてください…。

私が健康体だったら、感想も変わったのだろうか。でもそこが病気だから見せているのだという大原則を、医師は忘れないで欲しい。

 

カーテンの向こうにベテランの医師もやってきて診ているぽい。

その医師の意見は、「取れるものなら取ってしまった方がいい」とのこと。通常のがんの専門家ならそう言うだろうな。取れるなら取る。がんの治療の原則だ。その後いったん外に出て、H医師が皮膚科の例の医師と電話相談を済ませてから、再び診察室へ。

「メラノーマの治療の基本は、手術で、悪いところを全て取り去るのがいいそうです」

ただし、

「子宮や膣部分だけじゃなくて、外陰部もひょっとしたら肛門も尿道も…ごっそり取り去る大手術になりそうです」

予想はしていたが、排泄器官を失うって想像だけでもものすごいインパクトなんですけど。

「そうなると予後は相当厳しい…」

そうだろうなあ。

でもこれは皮膚科医の、切るなとの主張を受けての物言いだろう。やっぱりメラノーマを知ってるかどうかで治療法は大きく変わってくる。

私の腹は既に決まっているので、こういった話はなおさら背中の後押しとなった。化学療法しかないよね。そういう意味で遠隔転移が無いというのは、条件としてはいいはずだ。

あまりにも希少ながんの為、この病院では調べながらの手探りでの治療になるという。

この点は、たいそう正直に言ってくれたと思う。

セカンドオピニオンをお願いしたい旨を告げると、非常に快く受け入れてくれた。

「こちらから、どの病院に行ってくださいとは言えないのです」

こんな状態でも、それは禁句なのか。業界の事情ってやつ? 先生も大変だ。

それでも一応念のためにと、13日の外来の予約を入れてくれた。電話一本で取り消せばいいですから、と。まさに至れり尽くせりの心遣いだ。

「紹介状と資料は今すぐは無理なのですが、今晩揃えておきますので、明日受付に行ってください」

明日? すごい、そんなに早くいただけるとは…。こうした場合の標準を知らないけど、誠意を感じた。

H医師は、穏やかで正直で手技も丁寧、でも今はつくづく損な役回りだ。これが上級医というものか。

私と夫がネットで調べた以上の情報を持っていないのではないかと、H医師の横顔を見ながら思った。

 

「あ、そういえばひとつ質問なんですが」

「いいですよ、幾つでも聞いてください」

「帯下の細菌検査も終わってますか? 結局黄緑色は何が原因だったんでしょうか」

「終わっています。細菌はありませんでした」

明言しないまでも、メラノーマの方から来てるのではないかということだった。ありゃ、細菌検査に回してくれたレジデントは違うって言ってたぞ。

もうね、私の病気、難しすぎ(笑)。