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いろいろといろ

「いろいろ十色」ちょっとした振り返りのためのブログです。
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 2025年8月5日より「War Bride91」という演劇が公演されており、います。この演劇は、TBSの川嶋龍太郎氏がプロデュース/監督した映画「War Bride 91歳の戦争花嫁」を元にしています。
 
ふんわり風船星映画について
 
 話し手は、川嶋監督の叔母で、戦争花嫁としてアメリカに旅立った桂子・ハーンさん。監督にとっては、「成功した裕福な叔母様」という印象だったそうです。ですが、広島で行われた戦争シンポジウムに桂子さんがオンラインで登壇することを知ってそれを視聴し、初めて桂子さんの人生を知り、「横浜大空襲で被災し“戦争を憎んでいます」と涙ながらに語る姿を見て、これを伝えていかなくてはと思ったのだそうです。コロナ禍の中、アメリカにわたり、桂子さんの肉声でお話を聞いてドキュメンタリーにまとめ、2023年に映画化されました。そして、戦後80年ということで、舞台化が企画されたそうです。
 
ふんわり風船星1945年5月29日 午前10時 横浜空襲
 
 印象的だった戦争の話は、1945年5月29日の横浜空襲です。B29が焼夷弾を落として家を焼き、横浜では8千名から1万名の市民が亡くなったそうです。ところがこの映画で知らなかった新事実が…。
 
 海側に出ていこうとした人が、「新山下のあたりで機銃掃射されていた」というのを聞きました。びっくりして、調べてみると、岸恵子さんも同じ時期に横浜にいて、大空襲を経験されていました。
 

母が言っていた公園の曲がり角の松に、なぜか私は夢中でよじ登った。木登りは得意だった。するとB29よりも小さな米軍機が地をはうような超低空飛行で機銃掃射してきた。私のすぐ傍を通り過ぎる時、機体の窓からパイロットの青ざめた横顔が見えた。

その瞬間、耳をつんざく轟音(ごうおん)が聞こえ、直撃弾を受けた私の家がふわんふわんと踊るように揺れながら燃え崩れた。お化けのように低いうめき声を上げ、ペチャンコに潰れてゆく家から我が家のかけらたちが飛んできた。

 
 
施設や家屋を焼くだけでなく、皆殺しにするつもりで、アメリカは空襲していたんだと…。
そして、ハンティングを楽しんでいる人もいた。原爆も「落としたかった」んだと…絶望


そして、朝鮮戦争、ベトナム戦争、湾岸戦争で、アメリカは戦争犯罪を重ねていくのでした…。松本零士先生の「銀河鉄道999」の機械化人間は人間狩りを楽しみますが、まさしく、この恐怖がそれを書かせたのかもしれません。



それにしても、その惨状をくぐりぬけて山手公園のこの桜は生き残ったのですね…。
 
 
 
 
 
 
 
 
ふんわり風船星「戦争花嫁」について
 
 それなのに、桂子・ハーンさんはアメリカから来た兵士と結ばれて、アメリカにわたることになります。彼女のような人達は「戦争花嫁」と呼ばれたそうです。東南アジアに娼婦としてわたる「からゆきさん」と逆の「じゃぱゆき」さんと同じように、嫉妬深く意地悪い人がつけた名前なんでしょうか。誰かが言い出して、当時のマスコミが世論を形成してしまいました。そして、思考が停止したステレオタイプの人がまたそれを広める…
 
 でも、ドキュメンタリーの中で語られたお二人の人柄は、想像以上のものでした。桂子さんは、今の私からしたら「こんなふうに年をとりたい」と思う姿です。91歳になってもステーキをばりばり食べて、自動車を運転して、しっかりお話をされます。さきほどの空襲についても、あまりにもさらりとお話になるので、どれだけの哀しみがあったのかが読み取れません。これが中国や韓国の人だったら、大きな声で大騒ぎすることでしょう。艱難辛苦に耐えて生き抜いた人の練り上げた言葉からのメッセージは強く感じます。
 
 また、アメリカでも東洋人、日本人ということだけで差別を受け、家族の方々も周囲の冷たい目にさらされます。
 
ふんわり風船星桂子・ハーンさんのご家族について
 
 戦前のすばらしいご家族の方々です。お父さんは彼女を横浜紅蘭高等女学校(現在の雙葉学園)に通わせます。お母さんはもらったお芋をふかして、それを売り、家計を支えたそうです。差別的な言葉も投げられたこともあったのではないかと思いますが、子供達にはそれを悟らせていなかったように思います。
 そういうご両親の背中を見て育ったのでしょうか。周囲に流されない目、まさに童話の「狼の眉毛」をもっていたのではないかと思います。
 
8月2日には8月5日からの舞台で桂子さんの孫役の福山絢水さん、桂子さんの父役の山口馬木也さんが舞台挨拶にきていました。
 
登壇者(予定):
#山口馬木也(舞台版出演者/桂子ハーン父親・山田一安役)、
#福山絢水(舞台版出演者/桂子ハーン娘・キャレン役)、
#川嶋龍太郎(本作監督/舞台版プロデューサー)
 
 
 
舞台挨拶撮影ができる時間をいただきました。
 
 
 
 
 
 
 
 
 

大自然の中で暮らしたいと思ったことある?

→ないですね~。

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