今日からGW。初日は曇りの予報だったので、東京国立博物館に「法然と極楽浄土」展を鑑賞してきました。東京国立博物館はまるで伏魔殿。12時に入場しましたが、退出したのは16時近く。気がつかないうちに4時間も滞在してしまいました…。

 

 

 

 

 

 

 

展示物は一部を除き撮影禁止でしたので、サイトの画像をお借りして、感想を追記します。

 

 

法然は、平安末期から鎌倉時代(長承2年(1133年) - 建暦2年(1212年))に生きた浄土真宗の開祖です。

 

■ご本人の像 

 

重要文化財
法然上人坐像(ほうねんしょうにんざぞう)
鎌倉時代・14世紀 奈良・當麻寺奥院蔵
(画像提供:奈良国立博物館)

出典:東京国立博物館

 

お持ちになっている数珠。私は宗派によって数が違うだけと思っていたのですが、数珠は唱えた念仏の回数をカウントするためのものだったんですね。だから長い数珠をお持ちになっているのですね。

ヒヨコ今回の最大の発見です。いつか数珠をもって念仏を唱えたくなりました。

 

 

カメラ選択本願念仏集(廬山寺本)》鎌倉時代 12〜13世紀・京都 廬山寺

出典:東京国立博物館

 

 開宗後の法然は、有力貴族である九条兼実や、その娘で後鳥羽天皇の中宮である任子などから帰依されます。その関白・九条兼実の求めによって記されたのが、選択本願念仏集(せんちゃくほんがんねんぶつしゅう)。最初の21文字は法然の自筆だそうです。

 

 法然72歳の時には比叡山の延暦寺の衆徒が、74歳の時には奈良の興福寺が、法然が勧めていた専修念仏の停止を訴えたのだそうです(承元の法難 - Wikipedia)。その際、法然が門弟に対して守るよう求めた、7つの禁止事項が七箇筿制誡(しちかじょうせいかい)。

 他宗の教えや阿弥陀仏以外の仏を誹謗中傷することなどを禁止しているのですが、この誓約書には法然以下の門弟190名の署名があります。その中には親鸞(しんらん)の当時の名、「綽空(しゃっくう)」もあります。

 

出典:東京国立博物館 - Impress Watch

 

 それでも、興福寺から念仏停止を求められ、法然と法然の門下生は還俗させられ、流罪となりました。10ヶ月ほどで許されて、京都の大谷で死去されます。入滅の際、弟子達の悲しむ様もありましたが、まるで釈迦の入滅のようでした。

 

 それにしても、対立する別の宗派に対して、「他宗の教えや阿弥陀仏以外の仏を誹謗中傷を禁止」し、関係者の署名を募るとは、現代にも通じる対応の方法ですよね。天台宗のように武力や嫌がらせでなく、約束で信頼を得ようとしたところに法然の哲学を感じます。ウクライナとロシア、ガザとイスラエルの官僚はまるで怒りに燃えた王蟲のように思えるののですが、冷静にこれからのことを考えることはできないのでしょうか。後年、家康が法然の教えを重用したのは、そういった経緯があったからではないか…と想像しています。

 

そんな法然の教えが広まり、様々な阿弥陀仏が描かれました。鎌倉時代に当代最高の絵師によって描かれたのがこの絵。

 

カメラ阿弥陀二十五菩薩来迎図(早来迎)(あみだにじゅうごぼさつらいごうず はやらいごう)

出典:東京国立博物館

 

通常は水平に雲が流れるところ、急な斜面を急いで降りてくる阿弥陀様を描いています。音声ガイドでは京都国立博物館で修復に携わった人のコメントが紹介されていました。裏と表の絵は一寸違わず描かれていたそうです。また、当時の絵画の状況を研究して、線の太さも研究し、くっきりと見えるようになりました。

 

カメラ奈良・當麻寺(たいまでら)蔵の国宝《綴織當麻曼荼羅(つづれおりたいままんだら)》

出典:東京国立博物館

 

 証空を祖とする一派である西山派は、京都を拠点に活動を展開し、『観無量寿経(かんむりょうじゅきょう)』を図示した當麻曼陀羅(たいままんだら)を見出しその流布に務めたそうです。この曼荼羅は奈良時代に制作されたものですが、4メートル四方で圧巻!。間近よりも離れたほうが見えてきます。

 

(抜粋)

国宝「綴織當麻曼陀羅」は、8世紀の中国・唐または奈良時代の日本で作られたとみられ、実際には絹糸で織られています。當麻寺の本尊として丁重に守り継がれており、世界にもほかに例のない貴重な美術工芸品です。現在は、もともとの織物の部分は多くが失われ、絵の具で描き補われています。

この曼陀羅は、奈良時代の貴族の娘・中将姫ちゅうじょうひめが、ハスから採った糸を用意して五色に染め、織り上げたものとされ、鎌倉時代以降、そうした伝説とともに広く信仰を集めました。

(抜粋)

出典:美術展ナビ (artexhibition.jp)

 

 また、「綴織當麻曼陀羅」に関連して、本館3室に展示されていた「当麻曼荼羅図(たいままんだらず)」を鑑賞。

 

カメラ「当麻曼荼羅図(たいままんだらず)」A-3

鎌倉時代 絹本彩色

 

カメラ「当麻曼荼羅図(たいままんだらず)」A-6

鎌倉時代、絹本彩色

 

(ご参考)

 

 

出展:TNM_PR

 

最後に圧巻なのは、法然が配流された香川県の法然寺の仏涅槃群像(ぶつねはんぐんぞう)。

 

そして、最後に圧巻だったのは仏涅槃群像です。なんと写真の撮影も条件付きで可能となっています。

 

 

カメラ仏涅槃群像(ぶつねはんぐんぞう)
江戸時代・17世紀 香川・法然寺蔵

 

 一部だけ写真を出しますが、すばらしい群像ですので、ぜひ見ていただきたいです。よく見ると、猫だけはそっぽを向いています。法然寺ではどうなのかと写真を確認しました。が、やっぱり違う方向を向いています。何かあったのでしょうか???

 

出典:東京国立博物館

 

 「法然と極楽浄土」展で2時間。そして、また2時間ほど本館の中をさまようことになるのでした。

 

 

 

メモオフィシャルサイト

右矢印東京国立博物館 - 展示・催し物 展示 平成館(日本の考古・特別展) 特別展「法然と極楽浄土」 (tnm.jp)

右矢印特別展「法然と極楽浄土」/【東京展】2024年4月16日(火)~6月9日(日) 東京国立博物館 平成館 (yomiuri.co.jp)

 

 

 

メモ参考

右矢印「法然と極楽浄土」展で東京初公開の国宝「綴織當麻曼陀羅」(奈良・當麻寺蔵)…どう織り上げた? 何が描かれている? 5月5日、6日に生解説します! – 美術展ナビ (artexhibition.jp)

 

右矢印法然とは何をした人なのか? 特別展「法然と極楽浄土」東京国立博物館 - Impress Watch

 

 

ふんわりウイングピックアップ

 

 


 

日常で役立つ哲学の教えは?

→哲学じゃないけど、ジャン・ジャック・ボードリャールの記号論的な考え方が、今の社会状況の把握に役立っています。

 

 

▼本日限定!ブログスタンプ

あなたもスタンプをGETしよう