そごう横浜6階にあるそごう美術館で、水木しげる百鬼夜行展が開催されています。(~2024年3月10日まで)
水木しげるの妖怪 百鬼夜行展 ~お化けたちはこうして生まれた~
昨年末、『鬼太郎誕生 ゲゲゲの謎』を見に行ってきたご縁で、水木しげるさんと水木しげる研究の第一人者、京極夏彦さんの本を読み漁っています。
今回は水木しげるさんがどうやって、見えないものを妖怪として具現化したのかということを紹介している展覧会です。幼少期に聞いた、のんのんばあの妖怪話に似た話を柳田国男著「遠野物語」にみつけて、日本人の中の根源に生きている何かをつかんだようなんです。
また、戦時中に南国に行ったときに、ぬりかべのような体験を経て、のんのんばあの話、遠野物語に共通のものが南国にもあるということを確信されたようです。
住居を東京に移してからというもの、当時有名な神田の古本屋街に入りびたり、貴重な資料を得るのです。こういった資料から次々と妖怪を造形していきます。
鳥山石燕『画図百鬼夜行』
出典:そごう美術館
柳田國男『妖怪談義』
出典:そごう美術館
特に画図百鬼夜行からインスピレーションを受けたものは多かったようです。ただ、水木しげる氏と共に妖怪研究の第一人者である京極夏彦氏の言葉によると、
「水木しげるは、お化けの背後に潜んでいる文化をそっくりそのまま練り込まないと〝妖怪〟にならないことを知っていたんです。だから、「バッカみたいに」勉強したのでしょう。」
出典:京極 夏彦. 京極夏彦講演集 「おばけ」と「ことば」のあやしいはなし (文春e-book) (p.99). 文藝春秋. Kindle 版
例えば、あかなめ。汚い風呂場で風呂桶の垢をなめる妖怪だそうです。
鳥山石燕『画図百鬼夜行』からのあかなめはこんな感じです。
出典:鳥山石燕 画図百鬼夜行全画集 (角川文庫ソフィア)
ところが、
水木しげる氏は、木目をびっちり書き込んで朽ち果てた風呂桶を描き、そこにあかなめを呼び込んでいます。
出典:そごう美術館
風呂桶見ただけで怖い…。
この場所にあかなめが出ない訳がないと思うのです。この感覚は、昭和の代表的なホラーを描いた漫画家、楳図かずお氏の漫画にも通じるかと思います。
展覧会に入る前にQRコードを読み込んで、妖怪カメラARをダウンロードしておきます。すると妖怪カメラで妖怪を呼び込むことができます(笑)。
がしゃどくろ
![龍](https://stat100.ameba.jp/blog/ucs/img/char/char3/177.png)
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