【映画】ロスト・キング -500年越しの運命- 鑑賞 | いろいろといろ

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2023年10月9日はスポーツの日。

 

今まで一番熱中したスポーツは?

→テニステニスです。

学校の近くを通ると聞こえてくる「パコーン」の音に今でもわくわくしちゃいます。

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 スポーツの日にも関わらず、10月9日は大雨が降りました。そもそも、晴天の確率が大きい特異日は10月10日で、日本で初めてオリンピックが開催された日なので、10月10日固定にならないかと思っているこの頃です。

 

10月9日に見た映画は、リチャード三世の遺骨を掘り当てた女性のお話です。

 

メモオフィシャルサイト

右矢印映画「ロスト・キング -500年越しの運命-」公式サイト – 9月22日公開予定 (culture-pub.jp)

右矢印imdb

 

メモ参考情報

右矢印ウィキペディア

右矢印Richard III: Farewell to the king - BBC News

右矢印阪急交通>エジンバラの観光

 

エジンバラ城を背後にしてリチャード3世の書籍に読みふけるフィリッパ。

出典:IMDB

 

ふんわり風船ハート概要

「クィーン」の名匠スティーブン・フリアーズが「シェイプ・オブ・ウォーター」のサリー・ホーキンスを主演に迎え、500年にわたり行方不明だった英国王リチャード3世の遺骨発見の立役者となった女性の実話をもとに撮りあげたヒューマンドラマ。

フィリッパ・ラングレーは職場で上司から理不尽な評価を受けるが、別居中の夫から生活費のため仕事を続けるように言われてしまう。そんなある日、息子の付き添いでシェイクスピア劇「リチャード三世」を鑑賞した彼女は、悪名高きリチャード3世も実際は自分と同じように不当に扱われてきたのではないかと疑問を抱き、歴史研究にのめり込むように。1485年に死亡したリチャード3世の遺骨は近くの川に投げ込まれたと長らく考えられてきたが、フィリッパは彼の汚名をそそぐべく遺骨探しを開始する。

「あなたを抱きしめる日まで」のスティーブ・クーガンが主人公の夫を演じ、ジェフ・ポープと共同で脚本も担当。

 

出典:

映画.com

 
ふんわり風船ハートスタッフ/キャスト
監督:スティーブン・フリアーズ
製作:
スティーブ・クーガン
クリスティーン・ランガン ダン・ウィンチ
 
製作総指揮:
キャメロン・マクラッケン 
ジェニー・ボーガーズ 
ローズ・ガーネット
アンドレア・スカルソ
ジェフ・ポープ フィリッパ・ラングレー
 
原作:
フィリッパ・ラングレー
マイケル・ジョーンズ
 
脚本:
スティーブ・クーガン ジェフ・ポープ
 
撮影:
ザック・ニコルソン
 
美術:
アンディ・ハリス
 
衣装:
ローナ・ラッセル
 
編集:
ピア・ディ・キアウラ
 
音楽:
アレクサンドル・デスプラ
 
ふんわり風船ハートキャスト:
フィリッパ・ラングレー:サリー・ホーキンス
ジョン・ラングレー  :スティーブ・クーガン
 ※脚本も手がけています。
リチャード3世/ピート:ハリー・ロイド
リチャード・バックリー:マーク・アディ
 
ふんわり風船ハート感想
 
 先日、フェイクが行き過ぎた「エリザベート1878」のことを書きましたが、今回はまったくその逆を行く映画です。文句を言う人がいないのをよいことに自分の好みで描いた映画と比べると、格段に格が違います。監督のスティーブン・フリアーズ氏はキアヌさんが出演した「危険な関係」(1989)も手がけており、定評のある監督です。歴史物を扱う監督はこうあるべきだと思います。
 
 きっかけは、職場で持病と年齢が課題で、若手にどんどん追い抜かされていく中年の女性が主人公です。…というか、上司のトニーは扱いやすい人(自分に従ってくれる人)を引き上げているだけのような気がするんですけどね。
 
「リチャード3世はヨーク家最後の君主かつ事実上のプランタジネット家最後の君主であり、1485年8月22日に薔薇戦争最後の戦い・ボズワースの戦いで落命したため、遺体はレスターの修道院グレイフライアーズに運ばれ、敷地内に粗末な墓が建てられることになる。しかし、1538年の修道院解散と引き続いた取り壊しの過程で、リチャード3世の墓は失われ、この後、彼の遺骨はソアー川(英語版)にかかるバウ橋(Bow Bridge)付近から流されたという誤った言説が広まっていた。」

出典:ウィキペディア

 

出典:IMDB

 

出典:ウィキペディア

 

 

 綿密な証言の読み込みによって、修道院グレイフライアーズの場所を特定できたものの、莫大な費用がかかります。フィリッパはレスター大学、レスターカウンシルに相談し、資金も調達し、発掘を始めます。

 

 彼女を突き動かしたのは何か。

シェイクスピアの描く「リチャード3世」は本当に物語どおりの悪党だったのか。当時の文献を綿密に追いかけると、シェイクスピアの劇とは遠くかけ離れた姿をフィリッパは見ます。

 

 彼の名誉回復は、彼女の求める疑問の答えでもありました。そのために彼の遺骨を発掘して、彼の遺骨に語らせることが必要でした。

 

 フィリッパはひとつミスをしてしまいます。発掘責任者としてサインをレスター大学出身のリチャード・バックリー博士に任せてしまったことです。よって、発見当時は、それまで余り関係がなかったレスター大学が説明する動画になっています。

 

右矢印発見当時、レスター大学 マシュー・モリスが説明する動画

 

 リチャード3世に対して不名誉なプロパガンダをしたチューダー王朝と同じく、レスター大学も情報の発信力と信用を利用して、ゆがめた情報を発信していました。

 

 歴史って繰り返すんですね。

 そして、人の性(さが)も変わりません。

 

 でも、選別した情報を丹念につなげて仮説検証し、そうやって得た「事実」を主張した彼女はすごい。

 

 余談ですが、2015年3月26日 BBC映画「嘆きの王冠」でリチャード三世を見事に演じた、俳優カンバーバッチは、リチャード三世から十六代離れた再従兄弟として、英国桂冠詩人キャロル・アン・デュファイの詩を読み上げました。この日のために書かれた「リチャード」という題された14行詩です。

 

 明日の活力になる映画でした。おすすめです。

 

メモ参考文献(英語)