【読書】2023年4月に読んだ本 | いろいろといろ

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 先月の読書は2つトピックがあります。

 

花束佐武と市捕物控

 

 2023年3月に庵野さんが監督している「シン仮面ライダー」を見て、改めて原作者の石ノ森章太郎関連本を読んでいます。特に気になったのは、1995年に亡くなった富山敬さんが「一番好きだったキャラクター」として挙げた中に「佐武と市捕物控え」というアニメの佐武がいたことです。今、原作を読み進めております。

 

 驚いたのは、「今でも古くない」ことです。そして、江戸時代の風俗を昭和からの目線で描いていること。

 

出典:佐武と市捕物控「こいのぼり」

 

 鯉のぼりが「武家に対する町人の対抗」なんて、想像がつきませんでした。尚武→菖蒲だから、もともとは武家のお祭りだったのは想像しておりましたが。町人、考えたものです。

 

 

撮影日:2023年5月5日
 
 
余談ですが、佐武と市捕物控「首なし」のエピソードでは、こんな一コマもありました。
 
出典:佐武と市捕物控「首なし」
 
藤子不二雄氏の「オバケのQ太郎」も少年サンデーで掲載されていたので、知る人ぞ知るのようなコマです。
 

 

花束「19世紀イタリア怪奇幻想短篇集」

 

 もうひとつの今月のトピックは19世紀のイタリア怪奇短編。怪奇文学はイギリス、フランスだけの動きではなかったんですね。今回読んだ「19世紀イタリア怪奇幻想短篇集」のエドモン・ド・ゴンクールの「ファ・ゴア・ニの幽霊」は異国日本の風俗が描かれています。この作品は、プロシア出身の外交官ルドルフ・リンダウがフランスで1864年に出版した「スイス領事の見た幕末の日本」の横浜の記事を参考にしたのではないかと巻末にありました。「ファ・ゴア・ニの幽霊」には、オランダ領事館のある地区、「弁天」にあった外国人向けの遊郭「岩亀楼」(ヤンキロ)の名が出てきます。

 

 

クローバー岩亀楼(ヤンキロ)
 
横浜公園には彼我庭園という日本庭園がありますが、ここに海外向けの遊郭があり、その中に岩亀楼があったそうです。岩亀楼の灯籠もあるそうなので、過去の写真を検索しました。
 
撮影日:2022年4月10日
 
ほんとうだ!驚き
ちゃんと「遊郭だった」ことが書いてありました。
撮影日:2022年4月10日
 
クローバー水琴窟
撮影日:2022年4月10日
 
 
クローバー春紅葉の下にある灯篭
撮影日:2022年4月10日
 
クローバー「岩亀楼」の灯籠
撮影日:2021年4月3日
 
 
撮影日:2021年4月3日
 
 
撮影日:2021年4月3日
 
 
メモご参考
 
 
 
クローバー弁天通り

 

開港当時、金融の中心にあった旧横浜正金銀行本店があった場所です。
 

撮影日:2023年5月6日
 
撮影日:2023年5月6日

弁天通りを挟んで建つのは、損保ジャパン日本興亜馬車道ビル[旧川崎銀行横浜支店]

 

撮影日:2023年5月6日
 このビルの設計者の矢部又吉は横浜生まれでドイツに学んだ建築家で、隣の旧横浜正金銀行本店の設計者妻木頼黄の弟子。ファサード2面を残して機能更新を図った今の建物は、歴史的建造物の保存・再生の一手法を示した先駆的作品だそうです。いいですよね。こういう再生!!
 
 

 
 

4月の読書メーター
読んだ本の数:4
読んだページ数:1046
ナイス数:12

佐武と市捕物控(3) (石ノ森章太郎デジタル大全)佐武と市捕物控(3) (石ノ森章太郎デジタル大全)感想
2023年3月下旬に浮世絵師「芳年・芳幾」を見たせいか、「隅田川物語」冒頭のシーンは浮世絵の影響を受けての演出かと思いました。少年誌から青年誌に舞台を変えて、1968年4月に初出。当時の青年たちはこの物語をどう読んだのでしょうか。キャラクターのつくりは、1~2の少年とは異なり、純粋に悩む青年像に変容しています。何よりもペンタッチが細かくなりました。 「100分de名著 果てしなき石ノ森章太郎」には石ノ森が64ページの連載枠を要求していたエピソードが紹介されていました。
読了日:04月30日 著者:石ノ森章太郎


佐武と市捕物控(2) (石ノ森章太郎デジタル大全)佐武と市捕物控(2) (石ノ森章太郎デジタル大全)感想
少年誌に連載されていたためか、江戸の風習についても解説があって、参考になりました。「菖蒲の節句」と思っていたのは実は武士の風習「尚武の節句」だったところ、町人が鯉のぼりを挙げて、武士の風習を淘汰した話など、今更のうんちくに関心しました。また、人形の事件を浄瑠璃を使って演出するなど、総毛立ちました。
読了日:04月30日 著者:石ノ森章太郎


佐武と市捕物控(1) (石ノ森章太郎デジタル大全)佐武と市捕物控(1) (石ノ森章太郎デジタル大全)感想
シン仮面ライダーを見て、改めて石ノ森章太郎関係の雑誌を読みました。その中で「佐武と市捕物控」に触れているものがあったこと、昔、大好きだった声優 富山敬さんが一番印象に残った役に「佐武と市捕物控」の佐武を挙げていたので、手に取りました。キャラクターの作りは昭和…にも関わらず、物語展開の切れ味は今でも新しいです。
読了日:04月09日 著者:石ノ森章太郎


19世紀イタリア怪奇幻想短篇集 (光文社古典新訳文庫)19世紀イタリア怪奇幻想短篇集 (光文社古典新訳文庫)感想
19世紀、イギリスでは、1818年 メアリー・シェリーは「フランケンシュタイン」を書き、1887年「緋色の研究」でシャーロック・ホームズが登場。フランスでは、1831年 エドガー・アラン・ポーが「アッシャー家の崩壊」を書き、1841年は「モルグ街の殺人事件」を上梓。19世紀初頭、高まるナショナリズムのもと、グリム兄弟がグリム童話を編纂。同じ頃、イタリアでも同じような動きがあったことに驚きながら、読みました。
読了日:04月02日 著者:

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メモ今回読んだ本