昭和から平成までご活躍されたモンキーパンチ先生が2019年4月11日に逝去されました。2015年3月12日、モンキーパンチ先生のトークショーに参加しました。貴重なお話を聞いて、メモが残っていますので、ここに残しておきたいと思います。
■参加したイベント
2015年3月22日:「ルパン三世」原作者 モンキー・パンチ先生スペシャルトーク+「LUPIN THE ⅢRD 次元大介の墓標」上映会
■登壇者:
モンキー・パンチ(『ルパン三世』原作者) TAAF2015 功労賞
浄園 祐(『LUPIN the Third』シリーズ/『ルパン三世』新TVシリーズ プロデューサー)
小池 健(『LUPIN THE ⅢRD 次元大介の墓標』監督・演出・キャラクターデザイン)
■トークショー
MC:誕生のエピソードを教えてください。
モンキーパンチ:30年以上前、40年は経ってますよね…まだ新人でしたので。新しい漫画雑誌を出すということで、編集から「巻頭とカラー」を任せるという連絡がありました。そのとき、頭を巡ったのが、怪人20面相、シャーロック・ホームズ、アルセーヌ・ルパン…。
「アルセーヌ・ルパンのような主人公を書きたい。(何も構想はなかったけど)何年も考えていた」といって何とか通してもらった。「アルセーヌ・ルパンの孫の代がよい。ルパン三世で『語呂がいい』」といわれた。
半年後、話が生きていると思わなかった。電話がきて慌てて一週間で書いた。3週間、読者の反響がなかったら、編集部が考えるものを描けといわれたんです。
浄園 祐:1971年に旧ルパンが放映になり、1974年の「カリオストロの城」を見てドハマリしました。会社に行って、先生の原稿を見せてもらいました。
小池 健:僕はグリーンジャケットから入りました。小学生のときに漫画アクションのカラーを見たときに、こんなに西洋風なものがあるんだと思いました。子供が主人公が多い中で、大人が主人公で実物の小物を使っていて、大人の世界を垣間見た気がしました。
モンキーパンチ:小道具にはあまりこだわっていなかった。持っている銃、ワルサーP38にはしなかった。ワルサーP38に似た銃。車も車種を限定していなかったが、アニメーションで凝ってもらった。
小池 健:ルパンを知ると物知りになっていく。ルパンにああいう車に乗せたい、を着せたいと思うのが楽しい。
浄園 祐:作りては決まったものがあったほうが描きやすい。
MC:伝統ということで、モンキーパンチ先生が考えるテーマがあるのでしょうか。
モンキーパンチ:読者に不愉快な思いをさせたくない。不可能を可能にする。20ページで完結さえる。どんでん返しをしたい。悲惨な絵はなるべく描かないようにしていた。
浄園 祐:プロフェッショナルの作品として、縛りがない中で、かっこよさ、生き様を見せることができるようにしている。
小池 健:ワルの美学。見えているところだけではなく、見えないところをかっさらっていくのがルパン。
MC:今日の作品は「これがみたかった」というのを映像化できた。
モンキーパンチ:今、進行中。イタリアを舞台にしたもので、製作の人達が頼りだ。
小池 健:当時の大塚さんの線を踏襲してすすめています。
浄園 祐:原作のハードボイルドテイストを生かした企画をすすめています。
MC:これからのルパンへの思いを教えてください。
モンキーパンチ:そろそろどこかで3Dのルパン三世をみたいと思っている。
浄園 祐:今日の段階ではテレビ版の王道を原作化した作品。最近、露出してきているので、知名度が高いのでアドバンテージがある反面、むずかしさもある。小池さんがルパンやってくれるというのが楽しみ。小池をアニメーターとして尊敬している。チャンバラは僕が見たいから。お客様もみたいはず(笑)。
■「ルパン三世」オープニング映像はぜひ見てほしい…。
■参加リンク
・ORICON NEWS:
モンキー・パンチさん死去に『ルパン三世』ファン“心盗まれる” 『カリオストロの城』名せりふで感謝と追悼
■東京アニメアワードフェスティバル 2015
■動画など
2015年東京アニメアワードフェスティバル
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