私が目にとめたのはこの一報。タイトルにある「暗号用PC」が気になりました。今後、いろいろと動きがあるかもしれないので、スクラップします。
【朝鮮日報】元北朝鮮公使「スペインの北大使館から暗号用PC奪われた可能性」
(抜粋ここから)
2月22日にスペインで起きた北朝鮮大使館襲撃事件をめぐり、韓国に亡命した太永浩(テ・ヨンホ)元駐英北朝鮮公使が、暗号化された電文解読に使用するパソコンが北朝鮮大使館から盗まれた可能性があると指摘した。
(略)
太氏はこのPCについて「命より貴重なもの」と書いた。その理由として、北朝鮮独自の暗号技術に触れ「数学式につくられている西洋式の暗号とは完全に異なる『抗日パルチザン式』」と説明した。これは中国共産党が抗日闘争の際に考案したもので、特定の小説のページ・段落を使って暗号文を解読する方式だという。
太氏は「PCが(外信の報道通りに)米連邦捜査局(FBI)に渡ったのだとすれば大変なことだ」として「元ファイルから全て交換し、既に暗号用として使われている北朝鮮の小説を全て破棄しなければならず、当面は平壌と全ての北朝鮮公館の間で暗号通信ができなくなる」と指摘した。
(抜粋ここまで)
【中央日報】太永浩氏「スペインの北大使館、命より貴重な暗号解読PC盗難も」
(抜粋ここから)
太氏はブログで「世界が在スペイン北朝鮮大使館襲撃事件について報道しているが、北朝鮮が1カ月間も沈黙で一貫しているのを見ると、侵入者らは大使館の核心機密事項の『変信用コンピューター』を強奪したのではないかと考えられる」とコメントした。
太氏は「北の大使館で人の命より貴重なものが平壌(ピョンヤン)と大使館がやり取りする電報文の暗号を解読する変信用コンピューター」と紹介した。
(略)
太氏は「北朝鮮の外交官なら、大使館が襲撃されて変信用コンピューターを強奪したとすれば命をかけても阻止しなければならなかったが、それを奪われたとすれば無事でないはず」と話した。
続いて「今回、北朝鮮が米国との新しい交渉戦略を立てながら中国、ロシア、ニューヨーク駐在の大使を平壌に呼んだが、その理由も電報文を通じて秘密を現地大使館に送ることができない状況と関係があるかもしれない」と予想した。
池在竜駐中国大使、金衡俊(キム・ヒョンジュン)駐ロシア大使、金星駐国連大使は19日、平壌に急きょ帰国した。池在竜大使と金星大使は23日に中国北京の空港で確認され、現地に戻ったという。
(抜粋ここまで)
>特定の小説のページ・段落を使って暗号文を解読する方式だという。
これは、マリー・アントワネットとフェルゼンが交わした手紙で用いられた暗号化の方法と同じだと思います。ちなみにベルナンド・サン・ピエールの小説「ポールとヴィルジニー」また別の説では「ローマ人盛衰原因論」といったものが使われていたそうです。
(「マリー・アントワネットの暗号」より)
>「PCが(外信の報道通りに)米連邦捜査局(FBI)に渡ったのだとすれば大変なことだ」
続報が次のようになります。要約すると、襲撃した団体は「自由朝鮮」という反北朝鮮組織で、FBIも関与。そして、米国籍の韓国人も関与していています。2月27日の米朝ハノイ会談の前にこんなことがあったとは…。
【朝鮮日報】スパイ映画さながら、「自由朝鮮」の北朝鮮大使館襲撃事件
(抜粋ここから)
世界のスパイ史上まれに見る大使館襲撃事件は、緻密な事前準備に基づいて実行された。
(略)
事件を起こしたグループは、2017年の北朝鮮の核実験に対する制裁措置でキム・ハクチョル駐スペイン大使が追放された後、北朝鮮大使館に唯一外交官として勤務していたソ・ユンソク書記官を地下室に連れて行った。そして、縛られた状態だったソ書記官の手をほどき、「脱北してキリスト教に改宗しろ」と迫った。その過程で、グループは「自分たちは北朝鮮解放のために働く人権団体の所属」だと説明したという。ソ書記官が「裏切ることはできない」と拒否すると、アドリアン容疑者らは再びソ容疑者の手を縛り上げ、頭部に黒いビニール袋を被せた。そして、パソコン2台、ハードディスク2個、携帯電話1台、多数のUSBメモリーを奪い、大使館の車両3台と自分たちが乗ってきた車に分乗し、大使館を離れた。午後9時40分のことだった。
(抜粋ここまで)
>パソコン2台、ハードディスク2個、携帯電話1台、多数のUSBメモリーを奪い
この奪われたもの中に、上記の太氏が言っている「暗号用PC」が入っているということなんですね…
【朝鮮日報】金正男氏息子の保護団体が立場表明「北を根元から揺さぶる」
【ソウル聯合ニュース】北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)国務委員長(朝鮮労働党委員長)の異母兄、金正男(キム・ジョンナム)氏が2017年2月にマレーシアで殺害された後、息子のハンソル氏を保護したとする団体「自由朝鮮」が、自らを「脱北民(北朝鮮脱出住民)の組織」だとし、北朝鮮内の革命同志と共に金正恩政権を「根本から揺さぶる」と主張した。
(略)
「自由朝鮮」の前身は、17年にハンソル氏の姿を公開し、安全な場所への移動を手助けしたと主張した「千里馬民防衛」だ。
同団体は26日、北朝鮮大使館の襲撃事件への関与を認めるとともに米連邦捜査局(FBI)とも接触したと発表し、関心を集めている。
【朝鮮日報】自由朝鮮「我々が北朝鮮大使館に侵入、FBIの要請で情報共有」
(抜粋ここから)
自由朝鮮は26日、ウェブサイトで「攻撃はなかった。マドリードの(北朝鮮)大使館での緊急事態に対応したもの」と説明した。「緊急事態」については具体的に述べず、「平壌政権が運営する全世界の大使館は合法政府の外交・商業・文化公館でない」と主張した。そして、「(北朝鮮)政権の大使館は違法薬物や武器の闇取引のハブ(拠点)であり、人権弾圧犯罪を組織的に行う全体主義政権の宣伝手段だ」として、マドリードの北朝鮮大使館がある種の違法行為と関連していることを示唆した。
(抜粋ここまで)
【朝鮮日報】在スペイン北朝鮮大使館襲撃事件、犯行グループには韓国人も
(抜粋ここから)
スペイン最大の日刊紙「エル・パイス」やAP通信、ロイター通信などによると、全国規模の事件や国外での事件を担当する全国管区裁判所のホセ・デ・ラ・マタ判事は26日、「北朝鮮大使館を襲撃した10人の中には韓国・メキシコ・米国籍の人物が含まれていることが分かった」と語った。犯行グループは先月22日、在スペイン北朝鮮大使館へ侵入して館員らを監禁し、コンピューターや携帯電話などの電子機器や各種の書類を奪って逃走した疑いが持たれている。事件発生後、スペイン当局は警察の情報部門や、情報機関の「国家情報センター(CNI)」を投入し、事件を捜査している。裁判所は、警察などの捜査に基づき、26日にこうした内容を公式発表した。
(抜粋ここまで)
(3月31日追記)
今まで沈黙していた北朝鮮側の反応です。
【朝鮮日報】大使館襲撃を「テロ」と非難の北朝鮮、今後の出方は
(抜粋こここから)
北朝鮮外務省の報道官は同日「外交代表部に対する不法侵入や占拠、強奪行為は、国家主権に対する厳重な侵害である上、乱暴な国際法じゅうりんであり、このような行為は国際的に絶対に許されるべきではない」と述べた。朝鮮中央通信が報じた。報道官は「(武装した暴漢らが)大使館職員を縛り付け、殴打、拷問し、通信機材などを強奪するという厳重なテロ行為が発生した」とも述べた。
(略)
2017年に暗殺された金正男(キム・ジョンナム)氏の長男のキム・ハンソル氏を保護しているとされる組織「自由朝鮮(旧・千里馬民防衛)」は26日、事件への関与を表明した。しかし北朝鮮は今回「自由朝鮮」については言及せず、「スペイン当局が事件の捜査を最後まで責任を持って進め、テロ分子とその黒幕の操縦者らを国際法に基づいて公正に処理することを望みつつ、その結果を忍耐強く待つ」とだけ述べた。
(抜粋ここまで)