「Kalafina with Strings」は、2012年よりクリスマスの時期に開催されている、ストリングス・カルテットとピアノのみの編成で構成されたライヴ・シリーズです。私は初めて2017年12月3日東京オペラシティの公演に行ってきました。
完成度の高いライブに言葉もなく、そのときのツィッターには「とろけるように夢の世界に旅立ってました。無理してもきてよかった。」と書くのみ。Kalafinaの免疫がなかったので心も体も腰砕けにされてしまいました。すぐにレビューもかけず、1年近くなってようやく備忘録的に頭の片隅に残っている感動と情報をかき集めてレポートします。
■セットリスト
- storia
- 君の銀の庭
- Sapphire
- sandpiper
- Magia
- blaze
- oblivious
- Seventh heaven
- カンタンカタン
- Lacrimosa
- 花束
- 満天
- 百花繚乱
- ひかりふる
- 光の旋律
- into the water
- believe
- ring your bell
-アンコール-
- ことのは
- やさしいうた
-グッズ-
まず、言いたいのはKalafinaの3人は言わずもがなですが、ピアノの櫻田泰啓さんはじめ、演奏家の方々のレベル、ステージマネージャーのレベルが破格なんです。これでミュージカルを一本作れるほど。このときも弦、打楽器の調和が素晴らしいコンサートでした。
また、会報のレポートが音楽をやっている人が書いているとしか思えないものでした。(Kalafina Harmony magazine #03より)本当はあまりよろしくありませんが、事実上、解散となっている今、こんな素晴らしいグループがあったということを残したく、あえて引用させていただきます。(以下の画像と緑の文字の部分です)
この波動攻撃は反則。最初から泣いてしまいました。
「【Magia】では歌と弦、ピアノすべてがスタカートを刻み、Hikaruが放つアタックの強いヴォーカルにオリジナルとはまた違う色味の『強い覚悟』を感じて、思わず息を飲む」
会報の「スタカートを刻み」「『強い覚悟』を感じて」というところに、音楽へのガッツを感じました。メンバー全員の音にブレないスタカートのロックは、初めて聞きました。それでいて空気を震わせる弦の音はちょっとやさしくて。
「最初から泣いたこのセットリスト」の中でも「霊的に」すごかったのは「ひかりふる」。振り向けばこの世にいない身内がそばにいるのではないかと、錯覚をおこすほど。
(歌詞抜粋)
君に会えるその日を胸に
願いだけになって
遠ざかる未来まで
私がどこにもいなくなっても
すべてを照らす光の中
いつも君のそばにいるから
すべてを照らす光の中
いつも君のそばにいるから
ここで、間…。暗闇の中に一筋の光が見えたような気がしました。この曲の中で一度死んで、そして再生したかのようなそんな錯覚。
あの時期は、仕事は忙しく、膝をはじめ、関節を動かすと痛みがはしる体をひきずって、「この世からいなくなったら、どんなに楽だろう」となんとなく思っていました。でも、私はこのコンサートで温かい光をもらったのです。
■CD