今日は1793年10月16日、マリー・アントワネットが処刑された日です。昨年、森アーツ・センター・ギャラリーの展覧会の最後の日は、昼頃行っても2時間待ちだったので、あきらめて帰ってきてしまったのですが(その前に2度行ってる…)、最近の人気はすごいなと思います。
その人気のきっかけになったのは、きっと2012年~2013年に開催された「マリー・アントワネット物語展」や中野京子さんの「怖い絵」展によるところが大きいのかなと思います。はるか昔の話になりますが、命日ということもありますので、そのときの感想を書いておきたいと思います。
■マリー・アントワネット物語展
展覧会では、パリ市立カルナヴァレ博物館やナポレオン財団のほか、王妃にゆかりのある名門貴族が代々受け継いできた家宝を含め貴重な絵画や工芸品など史料約120点の他、再現された宮廷衣装や驚きのウィッグも展覧されているもの。横浜ということもあったのか、あんまり人がいなくて、ゆっくり鑑賞できた展覧会でした。(だから2016年~2017年の展覧会の人の多さにびっくりしたんですね…)
めずらしく、図録を買いました。
■中でも感動したのはこれ。ルイ16世が作った時計のねじ
あのベルサイユにあって、実直で、合理的な考え方をされる方だったのではないかと…。取り巻きが堕落していたのではないかと…。
「これ」という目玉はなかったのですが、当時の宮廷のことを書いた紙面、王子たちの教育係のトゥールゼル夫人の子孫のジャン・ド・ベアルヌ伯爵からの協力によるものなので、何かしら血の通ったものを感じた展示会でした。
また、撮影の許可をいただいた復元ドレスがどれもすばらしくて。
■ビジェ・ルブラン夫人によるあの有名な肖像画のドレス
「王妃マリー・アントワネット「美の肖像」 家庭画報特別編集」より
■寝巻みたいだと不評だったゴール・ドレス
「マリー・アントワネット物語展」図録より
■2016年~のマリー・アントワネット展の表紙にもなったドレス
■ヴェルサイユ宮殿(監修)マリー・アントワネット展の図録(限定版)
ちなみにルブラン夫人はもう1点このドレスで肖像画を描いていて、こちらのほうはオーストリアに送られて、母のマリア・テレジア女帝がとても「王妃らしい肖像画」と賛辞を送ったのだそうです。下の肖像画をきっかけにして、ルブラン夫人は「王妃の画家」になったそうです。
※追記です。
このマリー・アントワネットの肖像画が来年展示されます。
展覧会詳細:
ハプスブルク展−600年にわたる帝国コレクションの歴史
会期:2019年10月19日(土)〜2020年1月26日(日)
会場:国立西洋美術館(東京・上野公園)
主催:国立西洋美術館、ウィーン美術史美術館、TBS
■プチ・トリアノンでのドレス
■そして、鬘
おそらく一番の痛手は、国庫がさびしいのに、イギリスの勢力を弱めるため、アメリカ独立戦争を支援したのが大きかったのではないかと思いますが、それにしても、当時かかったであろう莫大な労力と費用に圧倒される展覧会でした。内容がすばらしくて、久しく消化不良でしたが、ようやくまとまりました。
そして、また新しい書籍が出版されました。
主に王妃の愛人だったフェルゼンの資料が多いようです。いつも電子書籍になるのを待っているのですが、今回は購入してみようと思っています。