先日、ノーベル文学賞をとったカズオ・イシグロの「わたしを離さないで」をやっと読み終わりました。映画は2011年の公開当時に見ました。
とにかく、当時新人だったアンドリュー・ガーフィールドとルース役のキーラ・ナイトレイがとても印象的だったのをとてもよく覚えています。その中で1960年代の雰囲気をたたえたキャリー・マリガン。
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わたしを離さないで (字幕版)
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内臓移植の治療のために生まれた人たちの話で、その映画の中にあるムードと内容のすごさに圧倒されたのをよく覚えています。こんなすごい作品の原作が日本人だったことも本当にびっくりでした。長編なので、当時手に取ってみることはなかったのですが、今回のノーベル賞の受賞をきっかけに手にとってみました。
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わたしを離さないで (ハヤカワepi文庫)
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最後、提供者でなくなったキャシーだけが生き残るのですが、彼女の青春時代の回顧のシーンは感慨深いです。ヨーロッパでは一般的な情景の中に、提供で亡くなったルース、トミーの影を追うところは、私も同じような幻を見るような気になりました。
タイトルの「わたしを離さないで」はキャシーがヘールシャムという名前の施設にいた時代によく聞いていたテープのタイトルです。そのテープはいつしか盗まれてしまうのですが。そのテープを聞いているキャシーの姿を垣間見た「マダム」の言葉が命に対する切なさを描いているよに思えました。
「あ の 日 、 あ な た が 踊 っ て い る の を 見 た と き 、 わ た し に は 別 の も の が 見 え た の で す よ 。 新 し い 世 界 が 足 早 に や っ て く る 。 科 学 が 発 達 し て 、 効 率 も い い 。 古 い 病 気 に 新 し い 治 療 法 が 見 つ か る 。 す ば ら し い 。 で も 、 無 慈 悲 で 、 残 酷 な 世 界 で も あ る 。 そ こ に こ の 少 女 が い た 。 目 を 固 く 閉 じ て 、 胸 に 古 い 世 界 を し っ か り 抱 き か か え て い る 。 心 の 中 で は 消 え つ つ あ る 世 界 だ と わ か っ て い る の に 、 そ れ を 抱 き 締 め て 、 離 さ な い で 、 離 さ な い で と 懇 願 し て い る 。 わ た し は そ れ を 見 た の で す 。
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