【映画関係】「マニアック」 | いろいろといろ

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 久しぶりに映画の感想をアップします。
きっと、この制作陣の映画を見たくなると思ったのと、でも、この映画を何回も見るのが苦痛なのと…。



 物語はというと、

$ぽれぽれドライブ

 会えるのなら魂を売ってもいいほどかわいかった少年が大人になったときの話。


 でも、母の死後、お母さんのつややかな髪に顔をうずめたときの温もりやにおいを忘れることができなくて、夜な夜な出ていっては、頭皮ごと髪を持って帰ってきては、寝室のマネキンにその髪をのせて悦にひたる…そんなメルヘンな青年の物語。


 ただ、普通でないのは、
彼は人間をハンティングしてたってこと....叫び

ぽれぽれドライブ

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■関連リンク:
オフィシャルサイト(日本)
IMDB


映画:「マニアック」(2013)
■タイトル:「マニアック」(2013)
■公開日:2013年 6月1日
■鑑賞日:2013年 6月12日
■ジャンル:ホラー
■お薦め度:★★★★☆(4/5)
ミラーズ」(2008)を見た人にはさらに異色のホラーとして楽しめます。



■制作:
Alexandre Aja .... producer (「ミラーズ」(2008))
Antoine de Cazotte .... executive producer
Daniel Delume .... executive producer
Andrew W. Garroni .... executive producer
Pavlina Hatoupis .... executive producer
Thomas Langmann .... producer (「アーティスト」(2011))
Gregory Levasseur .... producer

■監督:Franck Khalfoun
■脚本:
Alexandre Aja screenplay
Gregory Levasseur screenplay
C.A. Rosenberg screenplay
Joe Spinell original screenplay

■主演:
Elijah Wood ... Frank
America Olivo America Olivo ... Frank's Mother
Nora Arnezeder Nora Arnezeder ... Anna
Liane Balaban Liane Balaban ... Judy
Sammi Rotibi Sammi Rotibi ... Jason
Megan Duffy Megan Duffy ... Lucie
Brian Ames Brian Ames ... 80's Man 1




(この後はネタばれです。ラストも書いていますので、これから映画を見る人は読まないでくださいね!)





■プロット

 (eiga.comのプロット)
 ウィリアム・ラスティグ監督による1980年の同名映画を、「ピラニア3D」のアレクサンドル・アジャ&「アーティスト」のトマ・ラングマン製作、「ロード・オブ・ザ・リング」のイライジャ・ウッド主演でリメイクしたサスペンススリラー。
 ロサンゼルスで両親が経営していたマネキン店を継いだ青年フランクは、淫乱で残忍な母親に育てられたトラウマから、生身の女性を愛することができず、自分が修復したマネキンたちに愛情を注いでいく。やがてフランクは夜な夜な若い女性を殺害し、その毛髪を頭皮ごとはいで自分のマネキンにかぶせるという異常な行動に出始める。そんなある日、フランクの前にマネキンを作品のモチーフに使わせてほしいという女性カメラマンのアンナが現れ……。

■感想とラスト

 「24時間」のキーファー・サザーランドが主演した「ミラーズ」(2008)の脚本を書いたアレクサンドル・アジャが脚本を書いています。「ミラーズ」も怖かったのですが、「マニアック」は、全編を通して、主人公のフランクの視線で描かれるので、異常者の目線を肌で感じてしまういます。
 
 物陰で、ターゲットが来るのをじっと待っていたり、
 車にはねられた空中を回りながらも、ターゲットをはずさない視線…。

 でも、肉体関係をもった女性を殺すとき、彼は手を出すことができないのです。情が移ってしまうと獲物ではなく、人間としてみてしまうからでしょうね。
 すると、彼は鏡にターゲットを映しだすのです。まるでギリシャ神話のペルセウスがメデューサを殺すときのように鏡の中にいるターゲットを狙うのです。

 そんなフランクにちょっとばかり同情しちゃったりとか…。単純な善悪ですっぱり切り分けることができない映画なんです。
 
 
 どうして、彼がこんなふうになってしまったのか。それは幼少時の母子関係にあったと映画では示唆しています。が、事情がどうであろうと、フランクは、人間ではなくただ衝動で動くオブジェクトなのかもと思ってみたりもし…むかっ

 ラストでは、女の爪がフランクの顔の皮をベりべりとはがしていきます。その皮の奥から現れたのは、フランクの顔をしたマネキン人形…叫び
 

 脚本を書いた人も同じようなことを思っていたのか…と、このシーンで安心しました。

 そして、そのマネキンはフランクが見た幻だったことをラストでは、警官が座って血を流したまま目をみはって息絶えているフランクを発見することによって説明されています。

 90分気を抜けません…。ですが、人間の心理の奥底をのぞきみるようでいて、でも単なる好奇心では終わらず、「人間とは…」ということを訴えているような気もするのです。(かっこよくいうと)
 

■トリビア
 ・「羊たちの沈黙」の音楽がこの映画にも使われています。
 ・アナとフランクが見に行く映画はフィルム・ノワールの「カルガリ博士」。カルガリ博士の助手のチェザーレが美女をさらおうとして、その美女に恋してしまうシーンが出ています。きっと、フランクがチェザーレと同じように道ならぬ恋をしてしまったという暗示だと思われます。

チェザーレ
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チェザーレと美女
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