【ミーハー】法相宗大本山 興福寺の阿修羅像 | いろいろといろ

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 大晦日、大掃除やおせち作り(毎年一品だけ参加…)は30日に終えてしまいました。
31日をどこかで過ごすことになりました。その行き先を決めるミッションをまかされた私が選んだのは、法相宗大本山 興福寺

■12月31日昼2時ごろの興福寺です。大晦日ということもあって、ちょっと人がすくない感じです。
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ここの国宝館にある阿修羅像を直接みたかったのですが、今の今まで行く気がしなったのです。

 阿修羅は、興福寺のガイドによると、アスラ(Asura)の音写で「生命(asu)を与える(ra)者」または「非(a)天(sura)」とも解釈されるそうです。
 
  
 
 もともとはインドの帝釈天と戦う悪の戦闘神だそうですが、仏教が流布する以前の古代インドの鬼神、戦闘神、音楽神、動物神などが仏教に帰依し、釈迦を守護する八部衆の一人と説かれるようになったそうです。

 1300年前にも関わらず、西金堂造営記録『造仏所作物帳(ぞうぶっしょさくもつちょう)』に作者の名前が記録されており、そこに阿修羅像を初めとする八部衆像、十大弟子像を造ったのは、仏師将軍万福(まんぷく)と画師秦牛養(うしかい)とあるそうです。今回、阿修羅といっしょに

乾漆八部衆立像(かんしつはちぶしゅうりゅうぞう)


 ・人の体にカラスの頭を持った迦楼羅(カルラ)

 ・財宝神毘沙門天(びしゃもんてん)の家来、または帝釈天(たいしゃくてん)宮の音楽神で右手が消失してしまい、何をもっていたのかわからなくなっている緊那羅(キンナラ)
 
 ・八部衆の「龍」に相当します。水中の龍宮に住み、雨を呼ぶ魔力を持ち、釈迦誕生の時には清浄水をそそいで祝ったといわれる沙羯羅(サカラ)

・帝釈天(たいしゃくてん)宮で簫(しょう)を吹き、音楽を流して諸神を供養します。天界の神酒ソーマの番人、また東方の守護神持国天(じこくてん)の家来ともされます。
 像は正面を向き、頭上に獅子の冠をかぶり、静かに目を閉じている乾闥婆(ケンダッパ)
 
 ・炎の髪をもって、口を開け、歯をのぞかせている鳩槃荼(クバンダ)。八部衆の「夜叉」に相当するそうです。一番怖い神様なんでしょうね。
 
 ・畢婆迦羅(ヒバカラ)。中年から壮年の姿です。八部衆の「摩ご羅伽(まごらか)」に相当し、大蛇ニシキヘビを神格化したともいわれます。音楽をつかさどる神で、横笛を吹き、諸神を供養する役目を持っているそうです。
 
・陸で最大の動物である象の冠をかぶった五部浄。この像は胸から下が失われていて、詳しくはわかりません。でも、ガラスごしに間近で見ると、まるで生きているようです。




 阿修羅像は、甲冑をつけたほかの7人と違って、三面六臂(さんめんろっぴ)、上半身裸で条帛(じょうはく)と天衣(てんね)をかけ、胸飾りと臂釧(ひせん)や腕釧(わんせん)をつけ、裳(も)をまとい、板金剛(いたこんごう)をはいています。
 
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 なぜ、この人だけ、切ない少年の顔をしているのでしょうか。向かって左の顔は唇をかみしめ、もうひとつの顔はまるで、未来を見ているよう。見る人の思いで、いろいろに解釈できるのもこの仏像の美しいところかもしれません。
 また、衣装もすばらしく、木彫りなのに、絹のやわらかさを感じます。

 国宝館のショップもおすすめです。
彼の衣装の紋をモチーフとしたエコバックがあって、心惹かれました。


■国宝館
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 天平時代、藤原不比等から冬嗣までの藤原氏の栄華を見るようです。