法医学の盲点にメスを入れた制作陣の着眼点を、まず評価したいと思います。解剖されないまま荼毘にふされてしまう変死体が多いことは認識していたものの、その問題点を追及することはあっても、今回のように民間の研究所が、それを請け負うという設定は画期的ではないでしょうか。

 

設定だけではなく、ストーリーも推理性を盛り込み、飽きさせない楽しめる展開になっていましたね。解剖した男性の遺体からMERSウイルスが見つかり、当初、その男性が中東から帰国したばかりということから、感染が広がる恐怖をもたらしたとして糾弾されることになりましたね。しかし、石原さとみ扮する解剖医らの、本業ではない〝捜査〟によって、男性が帰国後に通院した病院の院内感染によるものだったことが判明するという次第でした。

 

実際にこのような施設が民間にあるのかどうかは分かりませんが、これが現実のものとしてもっと普及すれば、人材難の法医学の現場が好転するものと期待できるのではないでしょうか。

 

 

情報番組などで、取材対象者の意図とは違った報道をしたことで、取材対象者が抗議するケースは少なからずあることです。抗議されるケースならまだ対応の余地はあるかもしれませんが、ねじ曲がった報道によって、取材対象者が死に追い込まれるといった悲劇が、かつて実際にあったことは事実です。

 

このドラマでは、ねじ曲がった報道によって母が自殺に追い込まれた主人公が、メディア側に復讐するというテーマで、興味をもってみていました。復讐するターゲットが複数いるというストーリーは、これまで数多ありますが、メディアを中心に警察など多岐に及ぶことが予想されるキャスティングになっていると思います。

 

願うのは、ドラマ期間中、放送局の情報番組などで、ねじ曲がった報道によって不祥事が発生しないことです。フジ系ということで、かつて、実際に不祥事が起きているわけですから。

楽しみにしていた2018年の大河ドラマが始まりました。大自然の雄大さを前面に打ち出したスケールの大きい演出には、久しぶりに大河ドラマらしさを見たような気がします。

 

前半部分で、「蒲田行進曲」3人組の30年ぶりの共演など見どころも入れながら、子役たちの奮闘が光りましたね。西郷が主役のドラマは大河ドラマ以外にも数多くありますが、子供時代のシーンはこれまであまり見られなかったと記憶しています。第1話だけでも、子供時代に焦点を当てたのはよかったのではないでしょうか。

 

何より、大河らしい重厚さを醸し出したのは、島津斉彬役の渡辺謙ではなかったでしょうか。あの出で立ちに目を見張り、聞き惚れてしまう言い回しに聞き惚れてしまったのは私だけでしょうか。子役の西郷に真剣に向き合う目の鋭さは、「独眼竜政宗」の頃と何一つ変わっていなかったと思います。

 

次週から主役の鈴木亮平が登場します。数年前、西郷を演じるとの初の報道があったとき、よくぞ彼を選んでくれたと小躍りしました。新たな西郷像を描くには、ストイックな鈴木が最適だと思いました。早く第2話が見たい、そう思える大河も久しぶりです。斉彬・渡辺との共演も楽しみです。