
GLENKINCHIE
12 YEARS OLD
THE EDINBURGH MALT
SINGLE MALT
SCOTCH WHISKY
産地:スコットランド ローランド地区
原料:モルト
容量:100ml
アルコール:43%
樽構成:バーボン樽
希望小売価格:700ml / 4500円
色:赤みがかった金色
トップノート:3
アタック:2
香り:白ワイン、りんご、パイン、漬け物
味わい:ハチミツ、オレンジ、コリアンダー、ホワイトペッパー
アルコール感:3
ピート感:1
総評:3.5
■ グレンキンチー蒸留所について
グレンキンチー蒸留所はジョージとジョンレート兄弟により1837年に設立されました。
最初は1825年にレート兄弟がミルトン蒸留所として始めたのか、元々あったのを利用したのか文献が無いため曖昧みたいですが、公式設立年は蒸留所認可が下りた年でもあり、そこでグレンキンチー蒸留所として名前を変えたみたいです。
考えてみれば名前を変える必要性は無いと思われるので後者が有力でしょうかね。
しかし資金難に陥り、1853年に蒸留所は閉鎖され、売却後は製材会社として存在していたみたいです。
蒸溜所が再始動したのは1880年頃のことで、ワイン商社などが蒸留所を購入したみたいですね。
1914年にはローランド地区の他の蒸留所、クライズデール、ローズバンク、マグダレン、グランジと共にスコティッシュ・モルト・ディスティラーズ組合を結成したようです。
1925年にはDLC(後のディアジオ)と合併し、現在までディアジオの傘下になっています。
名前の意味は「谷あいのキンチー川」で、蒸留所のすぐ脇にキンチー・バーンが流れています。
蒸溜所は首都エディンバラから東に30キロの位置にあるペンケイトライド村で、大麦畑に囲まれた場所に立地しています。
ディアジオではクラシックモルトに選定されており、中でもブレンデッドウイスキー「ジョニーウォーカー」の4つのキーモルト、カーデュ、カリラ、クライヌリッシュ、グレンキンチーは有名ですよね。
■ テイスティングノート
ふんわりと白ワインのような芳醇な香りがグラスから溢れてきます。フルーティーさはりんごのやさしい甘みか、熟したパインのようなフルーツ酸の芳香が立ちます。バーボン香のバニラ感も漂いますね。12年の熟成も相まってアタックは和らいでます。
味わいはハチミツようの強めの甘みが真っ先に感じられます。コリアンダーの清涼感あるオレンジのスパイスが中盤から押し寄せ渋みとともに余韻まで長く残ります。樽香とホワイトペッパーの辛味が唇をしびらせフィニッシュ。余韻の苦味はピーマンのニュアンスも。
■ ローランド地区の考察
ローランド地区といえば、グレンキンチーとオーヘントッシャンが有名ですよね。
同地区には6つのモルトウイスキー蒸留所がありますが、歴史ある蒸留所は上記の2蒸留所とブラドノックとなります。
ローランド地区はグレーン製造が主だったりしますね。
そして近年では新蒸留所の建設が増え、2017年にはクライドサイド蒸留所、2015年にはグラスゴー蒸留所が誕生しシングルモルトウイスキーをリリースしています。
なぜローランド地区には蒸留所が少なかったのかというと、ハイランド地区と違い都会化により蒸留所が衰退したと言われています。それは産業の数の多さに起因してるのでしょうね。
■ グレンキンチーの考察
ローランド地区の風土からくる軽やかな酒質の原料から「エジンバラモルト」と呼ばれているみたいですね。
モルトは1969年にフロアモルティングはやめ、製麦会社から仕入れています。仕上がりはノンスモーキーでありながら、使用するモルトは若干スモーキーモルトを混ぜてるみたいですね。
発酵槽は木桶で、下向きのラインアームを持つポットスチルは3万リットルと2万リットルの2基でスコットランド最大級。
フローラルで軽くなり過ぎないライトな酒質はこの製法からきてるんですね。
様々な樽にて熟成がかけられるみたいですが、グレンキンチーの基本はバーボン樽メインになります。
味わいでもバーボン感は出ていました。
ブレンデッドウイスキーのキーモルトとしての役割を持つ蒸留所なので公式ラインナップは「12年」のみ。
しかし親会社のディアジオの命により「ディスティラーズエディション」が毎年数量限定で販売されています。
これは高アルコールのアモンティリャード・シェリーを熟成に使っていた樽にて熟成されるみたいですね。
シェリー樽ということでナッティな味わいに変化してると思いますが、今度試したいと思います。