6時集合...。
午後5時ちょうど。アルファードはホテル・インディゴ長崎に滑り込むように到着した。

「天野さん、大杉さん。1階ロビーに6時集合でよろしくね」
伊達木社長はそう言い残すと、颯爽とエントランスへ消えていった。
「分かりました。遠慮なく、二人でお世話になります」
天野次長が丁寧に頭を下げる。
それから約一時間後――約束の5分前。
天野次長と大杉主任はロビーに降り、静かに伊達木社長の到着を待っていた。
そのとき、恰幅のいいスーツ姿の男性が玄関から現れた。
彼がロビーの中央付近に差しかかったころ、ちょうどタイミングよく伊達木社長も姿を見せる。
「湯村さん、急に呼び出してごめんなさい。でも、今日はきっと楽しんでいただけるはず」
伊達木社長は笑顔でそう言い、天野と大杉を紹介した。
「こちらが、大阪ビジネスコンサルタンツの天野次長と大杉主任です」
紹介を受け、天野と大杉は慌てて名刺を差し出す。
男性の名刺を受け取った瞬間、天野次長の表情がふっとこわばった。
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