では、教えていただきましょうか。
「では、亀田さんの“おすすめ寿司店”を3つ、ぜひ教えていただけますか?」
と大杉主任がたずねる。
「寿司店ですか?うーん……」
少し考え込んでから、亀田主任がぽつり。
「……正直言って、ここ10~15年ほど、寿司“専門店”には行ってませんね。回転寿司なら家族と行きますけど。あれも、けっこう美味しいと思いますよ」
「では、魚料理全般ではどうでしょう?お刺身でも海鮮丼でも構いません」
と天野次長がやんわりと畳みかける。
「魚料理ですか?うーん……」
再び沈黙が流れ、数秒後――
「どこの店も、うまいですよ。ほんとに」
と亀田主任が、まっすぐに言った。
「そうですよねぇ」
と天野次長と大杉主任が、思わず声をそろえる。

一瞬の静寂。ふいに天野次長が言葉を継いだ。
「こんなに魚が美味しいのに、なぜ金沢のように、県外の観光客にもっとPRしないんでしょうか?」
その問いに、亀田主任は一呼吸置いてから、静かに言った。
「正直に申し上げますと――長崎市がやってます」
そう言いながら、キャビネットから一冊のファイルを取り出し、ふたりに手渡してきた。
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