昔、CB650R e-clutch を注文しましたが、なるべく思い出さないようにしています。
やめるにやめられない
「それは、為替差益『ゼロ』っていうことですか?」と思わず驚きを隠せなかった。「でもね、手数料は規定通り5,000円もらえるの。」平野さんは平然と続けた。
数十万ドルの送金を行っても、1件あたり5,000円しか儲からないのか……。しかし、そもそも、大西洋漁業はなぜ元住銀行に直接送金を持ち込まないんだろう?
山ちゃん、そろそろ俺の出番かな。背後から小笹さんが声をかけてきた。手には大西洋漁業のクレジットファイルを持っている。おもむろにそれを開くと、流暢な口調で話し始めた。
「当店東京支店の開設は昭和57年(1982年)。新規開設に際して、当時の松岡社長は、元住銀行本店(大阪)を通じて東京営業部を紹介してもらったんだ。ここからは、大きな声では言えないが、当時、大西洋漁業は元住銀行に恩義があって、元住銀行は新規開業祝いとして、年間を通じて一定額の輸入L/Cや外国送金を大阪貿易東京支店に持ち込むよう依頼したわけ。それが脈々と11年間受け継がれているわけだが、外国為替取引の条件は、大西洋漁業の業容拡大と業績回復に伴い、どんどんシビアになっている。」
「そういうことですか。」つまり、採算性がなくなっても、取扱高を維持したい東京支店としては、やめるにやめられないということか、と俺は心の中でつぶやいた。
その後、上場企業との取引は、そのほとんどが不採算であることが分かった。
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