ショウはすぐに「ぼくは弱い」と思ってしまう子だった。
友だちに負けたり、失敗したりするたびに、自分を責めて落ち込んでいた。

 

ある日、公園でしゃがんでいたショウの目の前に、小さなタネが落ちてきた。
声が聞こえる。
「ぼくは“強さのタネ”。土に植えて育ててごらん。」

ショウは家の庭に植えて、毎日水をあげた。
でもすぐには芽が出ない。
「やっぱりダメか…」とあきらめそうになった時、タネの声がまた聞こえた。
「水をあげ続けること、それが強さだよ。」

ショウははっとした。
強さって、一気に手に入るものじゃない。
少しずつ続けること、あきらめないこと、それこそが強さなんだ。

やがて芽が出て、小さな苗はぐんぐん伸びていった。
風が吹いても、雨に打たれても、揺れながらしっかり立ち続けた。

ショウは思った。


「強いって、負けないことじゃない。倒れそうになっても立ち直ることなんだ。」