本屋さん店頭で平積みされててつい手にした本、買わずには帰ることができなかったのは先週のこと。
久しぶりに面白くワクワクして読んだ本だった。
去年だったかしらね、ジョー・プライスさんの訃報を聞いた。もうだいぶ前だったが東京都美術館で奇想の系譜展があって、私は2回見に行った。どの時に初めてエツコ&ジョーエンタープライスというコレクターがいると知った。友人とこの人たち誰なの〜くらいのもので、私も友人も当時は日本画には疎かった。そしてその頃から私も日本画に興味を持つようになった。
はじめはジョーさんとのインタビュー形式で、生立ち、来日の経緯、悦子さんとの出会い、コレクションのことなど非常に興味深い内容だった。そしてやはり若冲。
まだ戦後まもない頃、日本も日本語もわからないアメリカ人青年が江戸時代の日本画を買うって?それも当時の日本人でさえその価値も知らないわけで、私は本読んでてジョーさんは若冲なの?くらいに思ったというか、そうなんじゃないかって思った。若冲でなければ、相国寺の和尚ではないかくらいに思った。
ジョーさんも素晴らしいが奥さんのエツコさんもやはりただものではなかった。本を読んでぶったまげるわ。
本の2/3の後半は数ある中のコレクションの一部を絵と一緒に解説してあった。数年前みた奇想の系譜展に出展されていた作品も紹介されていた。当時私は見に行って数々素晴らしい作品ばっかで興奮してたのを覚えている。
今こうしてみると絵師たちのイマジネーションってすごいよなと思う。現実にありそうでしかし現実ではないのにそれをまるでそこにあるかのように錯覚してしまうのは私だけだろうか?
今はコレクションの一部が出光美術館にあるそうなので、時々出かけてみようと思う。