今日の本:春の雪 | 人生真っ只中

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図書館から借りた本、期日内に読んだ。



4部作の第1巻。

かれこれ20年前にぜんぶ読んだはずだが、あの時の集中力と体力には大きな差を感じた。特にこれが好きだった覚えがある。


芸術家横尾忠則さんの本を読んでいたら三島由紀夫さんがよく登場すること、中谷美紀さんが井上靖さんの猟銃で日本語の美しさをエッセイで書かれてたことなど思い出して、昔読んだものをもう一度読んでみようと思いたった。


現代はついついすぐに答えを求めたり、端折ってものごと考えたりすることが習慣になっているので、日本語の比喩が非常にまどろっこしいと感じてしまう。私もせっかちな人間になってしまったと思う。


さてこのところ、愛とか恋とかの美しいものとそうでないものの違いってどこなんだろうと考える。この本は非常にドロドロしてるのに美しい、心痛いくらい。

昔の日本には階級制度もあり、ある階級の人たちの恋愛は家の面子があるのでそれが誤りだった時は誰も見て見ぬふりをしたり、証拠隠滅すらしてしまうくらいのことをやってのける。それに対して一般市民であれば、愛だの恋だので取った取られたと炎上しやすい。


20年ぶりに読んでみるとこれはただの恋愛物語や若者の青春物語のようにも思うけれど、蓼科という老婆の復讐劇でもあったのではないかと思うところもあった。


この本の中に夢日記が描かれてあった。私の夢日記は横尾さんがしてるので真似てたけれど、三島さんが原点だったのでなんか嬉しい。