私はテレビは全く見ないのですが、YouTubeは何かとよく見ています。ネットがかなりの部分外からの情報源なのです。ということである動画を偶々見ていました。
そこでいくつか気に留めたことがあります。
アルコール依存症とはどういうものかという事なのですが、まずは日本の文化が酒に寛容であることがあります。祭りや花見などで酒を飲んだり宴会で無礼講と言ったりすることです。しかしアルコール依存症と言う言葉はスティグマなのです。いわば負の烙印です。だから差別されたり、偏見を持たれて、その病気であることを恥だと思ってしまうことになります。その結果、自分がアルコール依存症であることが恥だと思い、患者は自分がアルコール依存症であることを認めようとせず、またそれをおおっぴらにすることを拒むのです。
アルコール依存症の患者は100人以上いるが、受診率は4~6%であるのもまたアルコール依存症が否認されるからでしょう。また自分には問題がない、と主張し、病気であることを意識しないのです。
ハームリダクションと考え方が最近の主流になっています。これは飲むこと自体が悪いというよりは、飲んだ害を減らそうとすることで飲み方を見直しませんかというアプローチが主流になっています。
依存症の背景には大きなマーケットがある。お酒、たばこ、ゲーム、パチンコ、公営ギャンブルなどです。それらが消費社会として誘惑してくるのです、そんな複雑な社会事情に晒されているわけです。
お酒を飲むのは 自分で飲んだ(能動態)、誰かに飲まされた(受動態)、いつの間にか飲んでいた(中動態) のどれなのか。
いつの何か飲んでいた場合「飲むな」というアドバイスは有効なのか?
「スティグマ」「ハームリダクション」「依存症の背後の大きなマーケット」「中動態」
と言ったキーワードに興味を持ちました。アルコール依存症を勉強し続けていても、いろいろな概念が取り入れられていくものだと思った次第です。