セミナーレポート Farnese Edizione Cinque Autoctoni | ワインと家庭菜園と・・・・?

ワインと家庭菜園と・・・・?

~ワイン中心の雑記系ブログです。

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<写真:ヒュー・ジョンソン>

このワインのアイデアは世界で最も有名なワイン評論家
ヒュー・ジョンソンのアイデアから生まれたものだ。


・・・あれは1996年、我々のセラーで試飲をしていた時の事だ。
その時、私とヒュー・ジョンソンの他に
ヘッドワインメーカーのフィリッポと
ボルドーで3世代続く生産者の息子ジャン・マルクもおり、

“何故スーパータスカンは有名で評価されるのか?”

といった話をしていた。


ヒュー・ジョンソンは、

「私は理解できない!
  何故ワイン造りの歴史あるここイタリアで、
  どこでも見つけられる品種、
  カベルネ・ソーヴィニヨン、メルロー、
  シラー、サンジョヴェーゼを使って
  ワインを造るのだろうか?
  イタリアには、700を超える独自の葡萄品種があるのに
  何故それらを使ってワインを造らないのだろうか?」


と言った。


そして、若くて才能があるワインメーカーの
フィリッポとジャン・マルクに
「イタリアの土着品種を使って偉大なワインを造ってはどうだ?」

とアドバイスした。




“南イタリアの葡萄が持つフレイヴァをしっかり表現したワインで
かつ、個性的でユニークな味わいを持っていなければならない。
また、葡萄は必ず樹齢の高いもので造らなければならない・・・・”


それは非常に困難なプロジェクトではあるが
この2人のワインメーカーはヒュー・ジョンソンの助言に従い
一番優れた葡萄畑を探し、南イタリアの典型的な葡萄品種を選んで
このプロジェクトに見合うワインを造りはじめた。



彼らはリサーチと実験を何度も何度も繰り返し
1999年、遂にこれだと思うワインを造りあげ、
ヒュー・ジョンソンの元に持っていった。


テイスティングをしたヒュー・ジョンソンは

「このワインには成功の秘訣が全て詰まっている!」

と非常に興奮した。
また、このワインはシンプルなラベル、簡単なボトルに入れて
独自性を持たせ、市場に出す方が良いと行った。


我々もこのワインの品質には非常に満足していた。
しかし、いくら優れていると分かっていても、
2つの州から出来た葡萄をブレンドして造っているため、
格付けとしては単なるヴィーノ・ダ・タヴォラ(VdT)になる訳だ。
だから我々は、ここだけはヒュー・ジョンソンの助言に従わず
VdTでも素晴らしいワインが出来るという事を知らしめる為に
しっかりとしたへヴィーボトルに入れてこのワインを出すことにした。




・・・我々はVdTという格付けでしかないワインが、
   普通のVdTのワインよりも高い値段で
   果して消費者に受け入れられるのだろうかという不安が常にあった。
   そこで2ndヴィンテージを
   オーストラリアのTOP100というコンペディションに出品し、
   どんな反応が得られるのかを確かめる事にした。



ところが、2ndヴィンテージをボトリングした直後に
イギリスのワインインポーターから
「5種類の土着品種をブレンドした
VdTの話を聞いたのだがいったい幾らするんだ?」

と電話が掛ってきた


・・・我々はまだ値段も付けていなかったこのワインの
 品質とコストを考え、ようやく値段を提示した。


すると、次に彼は
「このワインの生産量はどれくらいだ?」
と聞いてきた。

・・・その時、たしか18000本ぐらいだったと思うが、
   それを彼に告げると


「このヴィンテージと次のヴィンテージも全部買う!」
と言ってきたんだ。



このワインの真価をまだ確信できていないうちに、
この様な評価を受けたことは非常に嬉しかったのだが、
数週間後に、今度はオーストラリアのコンペディション事務局から

「出品したワインがゴールドメダルを獲得することになったが
 サンプルを数ケース送ってくれなければ、
正式な賞を与えられない」


と電話を掛けてきた

でもそのとき、我々のもとにこのワインは1本も残っていなかった。
それで仕方なく、イギリスのワインインポーターから
我々は売価以上の金額で買い戻す羽目になったんだ・・・





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そして、このワインは多くの成功を収めた。
過去12のヴィンテージの間に、
5回レッド・オブ・ザ・ワインイヤーに輝き
世界のコンペディションで
27個の金メダルを受賞した
その他にも
インターナショナルワインチャレンジなどでも
非常に高い評価
を受けている

我々ファルネーゼにとってフラッグシップ的存在の
非常に重要なワインとなったんだ。






このワインは毎年造る度に必ず完売してしまう。
インポーターからもっと造って欲しいという要望も受けるし
VIPの方々、女優や俳優、政治家や歌手、著名なスポーツ選手から
「このワインを1、2ケース分けてくれないか?」
と直接電話が掛ってくることもある

「もっと高い値段にしないのか?」
と聞かれることもあるのだが・・・

“我々はバリューを大切にする会社”
ということを忘れることの無いように
このワインの値段をこれから先も上げる事は全く考えていない。



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