昨年末だったかに発売になってたポートエレンの31年を飲ませてもらった。もちろんお金は払ったけど格安で。普段はワンショット6,000円で売ってるんだって。高っ!
で、感想はというと、ん~こんなもんかな…まぁおいしいけど31年も寝てる感じはしないな。これを6000円はちょいと割高感ありありな感じ~。ウチから買ってもらってたから、そこまで言わなかったけど期待度が高すぎたかな。
ところで以前、『なんでUDはこんなに人気のあるポートエレン蒸留所を閉鎖しちゃったんですかねぇ』てなことを訊かれたことがある。当然ながら僕が決めた訳じゃないから正確な理由はわからないけど、なんとなく想像することはできる。
まず時代背景を考えてみよう。
ポートエレンが閉鎖したのは確か1983年。僕は中学1年生なので実体験してる訳ではないけど、この頃って世界的に(特にアメリカと日本で)ピーチツリーフィズなんてカクテルが大流行して、アルコール度数も低くフルーティーなリキュールやスピリッツが売り上げを伸ばした。反対に旧勢力代表みたいになってしまったウィスキーは売上をガンガン落としていき、各蒸留所も生産調整せざるを得なくなっていた。
そこでUD社のような大きなグループでは生産拠点である蒸留所を集約することを思いついた…。
というのが、そもそもの話である。
で、UD社はアイラ島に持っていた二つの蒸留所を集約しようとして、どちらか一つを閉鎖することにした。その2択がカリラとポートエレンだったのだ。
そして彼らはカリラを残すことを選んだ。
経営的に生産拠点を集約しなくてはならないのは仕方ないことなので、ここではこの2択の結論が正しかったのかどうかを考えよう。
僕の考えを先に言っておくと、UDは至極真っ当な結論を出したと思う。僕に選ぶ権利があったとしてもカリラを残しただろう。
今我々が口にできるポートエレンは27年熟成以上の物が大半である。1983年に閉鎖してるんだから当然だ。それと現行品のカリラ12年とかと比べるのは不公平である。
僕はオールドボトルのポートエレン8年というのを飲ませてもらった事がある。
ポートエレン8年は、非常にモルティでピーティさももちろんあり、なかなかのもんだ。でも『なかなかのもん』っていうのは逆に云えばやや個性に乏しく、アイラモルトの王道は行ってるんだろうけど際立つものがない。同じモルティでピーティなアイラモルトであるラフロイグと比べても、そこまで骨太でもなくピーティさも穏やかである。かといってボウモアのようなトロピカルフルーツを思わせる酒質を持つ訳でもない。アードベッグやラガヴーリンのような爆発するようなピート感もない。
極めて中庸。
対してカリラはどうだろう。現行品は大人しくなってしまってるからそこまでの個性は感じなくなっているが、昔のオレンジラベルとかのカリラ15年とかを飲んでみよう。僕は初めてこの酒を飲んだ時にちょっとショックを受けた。こんな超ドライな酒があるんや!ブルーチーズのようなピリピリきまくるピートとあくまで引き締まった酒質ガツンとくる潮っぽさ。こんな攻撃的なウィスキーはそうない。
今の閉鎖蒸留所に対するノスタルジーからポートエレンを過大評価する向きもあるが、僕の中ではまぁまぁの蒸留所という評価でしかない。当然、カリラを取る。
もちろんいかなる蒸留所でも閉鎖されてしまうのは残念なことなので、続けれるならそれに越したことはないがあの状況なら致し方なかったかとも思う。選択としては、ま、正解です。
バカ高いポートエレンを買うくらいならもっといいアイラモルトはありますよ。コレクターの人はもちろんコレクションで買って下さったらいいけど、実際に日々飲んで楽しもうって方にはおススメしません。
追記すると、同じUD社がロウランドで下した選択は間違いだったと声を大にして言いたい。
グレンキンチー、ブラッドノックとローズバンクで何故ローズバンクとブラッドノックを閉鎖するのか。バカヤロー!
正に痛恨の極み。特にローズバンクは今からでも再開して欲しい。僕にお金があったら買収してでも再開したい。
一生無理そうだけど…。