万年筆クラブ活動報告 ~MONTBLANC~ | ギターの話である。当然のことながら。

ギターの話である。当然のことながら。

とっても解りやすい、エレクトリックギターに関することを書き綴ったブログです。
趣味であるヨーロッパやフェラーリのことにも触れたり触れなかったり。







こんばんわ。


バロック調もえです。




ちょっと偉人感が出たでしょうか・・・?










・・・はい、本文はまったく関係なく、


万年筆クラブの活動報告です。








で、報告する前に、


ちょっと小話?を・・・










このブログでも何度か触れていますが、


個人的な趣味として、


ヨーロッパ史にかなり興味がありましてですね・・・


特に、中世史がその対象なんですが、


一般的に言われるように、この時代って、


いわゆる「暗黒の時代」なんですね。


中世に先立つ古代のヨーロッパは、


最近?では『テルマエ・ロマエ』などでも取り上げられたように、


ローマ帝国がヨーロッパ全土を統治していた時代でした。


(もちろん時代によってその版図も変化しますが)




イングランドを出発して、ヨーロッパを陸伝いに進み、


現在のシリアを越え、エジプトに入り、


北アフリカを通って、ジブラルタルを渡り、


北上してまたイングランドへ。


それらがすべて無国境だったわけですから、


ちょっと今では想像するのも難しい規模だと思います。




まあ、だからといってローマ時代が地上の楽園だったかというと、


必ずしもそうではないと思いますが、


偉大な帝国がヨーロッパに存在したことは、


間違いないと思います。




それに比べると、


そのローマが滅び、中世と呼ばれる時代の、


特に初期のヨーロッパは、


暗く、厳しい時代だったと言えるのではないでしょうか。




現世的で、この世の華を謳歌した美術品が数多く残っているローマ時代に比べ、


中世の芸術のスポットは、主に来世、つまりあの世に当たっています。


そこで重視されるのは、そのシンボルとしての意味であり、


写実性はなく、まして芸術的価値は問われません。


このことも、如何に世の中が辛く、


その慰めを死後の世界に求めるしかなかった状況を、


伝えているように思います。


(日本だと縄文後期の土偶文化も、


似たような状況だと思います)






生活面でも、ローマ時代に作られた80000キロ以上の幹線道路は、


顧みられることもなく荒廃し、


むしろ敵の侵攻を防ぐため破壊されて行きました。


人々の交流は滞り、経済活動は停滞し、


ヨーロッパは深い森へと再び覆われていきます。




更に沿岸部では、アフリカからの海賊が激しく襲来し、


それに対抗できる強力な力もなく、


人々はなすすべもなく逃げるしかなかったようです。




勿論、すべてがローマ時代にくらべて退化したわけでは


ないと思いますが、


辛い時代だったのは間違いないと思います。






そんな時代に、


ゲルマン民族の一部族、フランク族が勢力を増し、


ゲルマンの統一、そしてヨーロッパの統一を図ります。


そしてそれを実現したのが、


フランクの王、カールでした。






















カールの黄金の彫像です。




ま、ほんとにこんな顔だったかどうかは


わかりませんが・・・






彼の治世中に、スペイン(イスラーム勢力に占領されていた)や、


イングランド、アイルランドを除いた西ヨーロッパは、


ほぼほぼ統一されたわけですから、


その功績は大きいと思います。


現在において、カールを、


「ヨーロッパの父」と呼ぶのも、


その功績を称えてのことだと思います。




で、そんな彼の権力に目を付けたカトリック教会が、


西暦800年に、


「オマエがローマ皇帝の後継者だ!」


と宣言して、帝冠を与えます。


こうして、カールはローマ皇帝となります。




実際には、東方には東ローマ帝国がまだ存続しており、


本当の意味でのローマ皇帝は、


東ローマ皇帝以外にありえず、


ましてやカトリック教会が勝手に


「コイツが皇帝!」


なんて宣言する権利も習慣もなかったのですが、


ともあれ、混迷を続けていたヨーロッパに、


ローマ皇帝が戻ってきた・・・というのは、


当時のインパクトとしては大きかったと思います。




そうしてカールは、


カール大帝と呼ばれるようになり、


この後の中世史の基調となる、


皇帝と教皇の対決で彩られる歴史の、


礎となっていきます。




ちなみに、カール大帝とは、


ドイツ語読みの名前に、日本語をくっつけた呼び方。


高校の世界史でシャルルマーニュとも呼ばれますが、


それはフランス語の読み方です。


(カール=チャールズ=カルロス=シャルル、大帝=グレート=マーニュ)


でも、フランス語読みでよかったですよね。


うっかり英語読みして、


チャールズ・ザ・グレートだと、ちょっとプロレスラーっぽいですから。。。










さて、長々とカール大帝について語ってしまいました。


全然小話じゃありませんでした。


万年筆クラブの活動報告でしたよね。






















・・・もしかして、にゅ~さんあたりはお気づきかもしれませんが・・・


























今回ご紹介する万年筆は、これです。














































モンブランのパトロンシリーズ、


カール大帝です。




ずっしり重い、シルバー製ボディの万年筆です。























多少角度をかえて。




角度によって、


揺らめくように、ペンが艶めかしい光を放ちます。






















キャップを外したところ。


美しい。




パトロンシリーズって、カール大帝以外だと、


アウグストゥスとか、ロレンツォ=メディチとか、


気になる人物が取り上げられているんですが、


ちょっとデザインが好みじゃないんですよね。


無理やりその人物のモチーフを取り入れている感じがして・・・




ただ、このモデルに関しては、


暗い時代の背景にしながらも、


その技術力の粋を集めた中世の芸術品・・・


というイメージが浮かんでくるので、


とても気に入っています。


厳粛で神聖、素朴だけど豪華、


そういったイメージです。




















クリップ部分。


できたらここには彫金が欲しかった・・・


というと贅沢でしょうか。





















モンブランのロゴ。


モンブランは、純粋な万年筆メーカーじゃなくなった・・・


と言われて久しいですが、


ま、こんなの作ってたら、


ペン以外のものを作ってなくても、


おっしゃるとおりって思っちゃいますよね(笑)

















ペン先。


ちょっと画像では解りづらいですが、


ペン先にはカール大帝のサインが入っています。


モンブランは色々言われていますが、


やっぱり美しいものは美しいです。




書き心地は、とってもなめらか。


すいすい書けますね。








・・・ペン自体は重いんですけど(笑)












ちなみに、入れているインクは、


デルタのレッド。


中世の人物がモチーフなので、


まるで血のような赤を選んで使っています。








・・・が、あまりに血っぽいので(笑)、


気が向いたら別の色に変えるかもしれません。














以上、万年筆クラブの活動報告でした。


他にはモンブランは持ってないので、


普通のモンブランの紹介は別の部員の方にまかせます(笑)










おわり。