てるさんのしあわせイノベーション -999ページ目

人を育てない、育てられない

懇意のマーケティング仲間から教えてもらったのだが、内田樹さんのブログに「『七人の侍』の組織論」というのがあり、とても共感できた。

ありかは↓だ。


永続発展的な共同体というのは、構成員のうちもっとも非力なものを統合の軸にしているという内容で、以下のように述べている。

--- 以下、上のブログより引用 ---

集団成員のうちの相対的に有力なものに優先的に資源が配分されるような「弱肉強食」共同体は長くは続かない(いずれお互いの喉笛を掻き切りあうようになる)。
集団成員のうちのヴォリュームゾーンである「標準的な能力をもつ成員」の利便を最優先に配慮する「平凡」共同体も、やはり長くは続かない(全員が均質化・規格化して多様性を失ったシステムは環境変化に適応できない)。
もっとも耐性の強い共同体とは、「成員中のもっとも弱いもの」を育て、癒し、支援することを目的とする共同体である。
そういう共同体がいちばんタフで、いちばんパフォーマンスが高い。
これは私の経験的確信である。
それゆえ、組織はそのパフォーマンスを上げようと思ったら、成員中に「非力なもの」を意図的に組み込み、それを全員が育て、癒し、支援するという力動的なかたちで編成されるべきなのである。

--- 以上、ブログより引用 ---

今、多くの企業が直面している課題の本質は、人を育てない、あるいは、育てられないことに起因していると思う。
部下を率先して飲みに連れて行き人生を語る上司、「失敗したら俺が責任をとってやる」と言える上司は今や絶滅危惧種である。
会社も新卒を時間をかけて人を育てなくなり、従業員教育への投資も抑えられがちである。
で、流動化した人材を、「即戦力」の名のもとに中途採用で回している。
就職活動をしている大学生は気の毒である。
こうして企業文化は薄れ、企業文化が薄れたことで事業活動が均質化し、生活者は何を選んでも同じなので何も買う気が起こらない、という悪循環が蔓延している。

「非力なもの」を育てると、
  組織の個々人の良質な知が公開され、
  蓄積され、
  ダイナミズムが起こり、
  企業独自の文化が生まれる。
ということである。

成長シナリオや事業システムは大切だが、それを生かすのは結局は人であり、人のモチベーションを最大化することが前提条件のはずである。
人がシナリオを演じ、人がシステムを運営することで独自の存在価値が創造できる。

ごくごく当たり前のことだし、実際、多くの企業の経営陣は口にしているが、実践できている企業がいかに少ないことか。



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