犬と猫の手作りごはんをつくるにあたり、ボーンブロス(骨スープ)を作ってストックしておくと、毎日のごはんの材料として、とても有用です。
完成したら冷蔵で3~5日は持ちますし、残りは冷凍すればとりあえずは保存が効きます。
ボーンブロス(骨スープ)とは、骨・関節とそれらの周囲の組織を低温でじっくり煮込むことで、栄養をスープ中に溶かし込んだものです。長時間煮込むことで、タンパク質が分解してアミノ酸になるため、消化吸収がよく、水分補給にも最適です。
つまり、飲む点滴、いやそれ以上です!
ボーンブロスは、各種のアミノ酸、ゼラチン、ビタミン、ミネラルなどの栄養がとても豊富です。しかも、ボーンブロス中のアミノ酸には、体内の炎症を抑える効果、痛みを緩和する効果、胃腸の粘膜をすみやかに再生させる効果、リラックス効果が確認されています。
また、骨の中心部分には骨髄といって、赤血球や白血球、血小板を作る組織が入っています。つまり、まだ分化していない細胞の集まり…『幹細胞』が含まれます。この、幹細胞を食べることにも意味があります。
ボーンブロスを作るには、一定温度を保ったままじっくりと、まる1日24時間ほど煮込んでいく必要があります。そのため、スロークッカーをお使いになると便利です。スロークッカーであれば、長時間、コンロの前につきっきりなんてことにはなりません。火事の心配もありません。
ラクチンです。
以下は、犬と猫の手作りご飯の材料として使うためのボーンブロスの作り方です。
スロークッカーを使った方法になります。
●材料
骨:関節を含む骨で、もちろん肉がついていてもOKです。600~900g
例えば、鶏手羽先、手羽元、鶏モミジ(鶏の足)、豚足、魚のあらなど
水:できれば浄水 2~3L
酢:リンゴ酢がおすすめです。大さじ1~2杯
▲今日は鶏モミジを購入
●作り方
・骨・肉を流水で洗い、スロークッカー鍋の深さ7割程のところまで材料を入れます。
・水を鍋の9割の深さまで入れ、酢を加えます。
▲すみません!今回は鶏の皮を剥ぎとっていません。
煮込む前にはぎ取ったほうが扱いやすいです!
・スイッチを入れて6~12時間もすれば、スープとして食べられます。
この時点で、骨からパカッとはずれる肉ははずして取り出しておきます。
肉を24時間煮込んでしまうと、パサパサになってしまうからです。
▲これは8時間ほど煮込んだものです。
・油が浮いてきて、多すぎると思えばすくい取って捨てます。
・スイッチを入れてから24時間ほど煮込むと、骨まで柔らかくなります。
そうすれば、カルシウムの補給に、骨ごと与えることが出来ます。
骨の種類や太さによって、食べられるまで煮込む時間は変わりますので、
ご自分で確認しながら煮込んでください。
★注意事項
・水が減ってきたら足して、材料が水から出ないようにしてください。
水から出てしまうと、焦げが出来てしまいます。これは体に良くありません。
・スロークッカーに強・弱のスイッチがついている場合は、
最初『強』で加熱して煮立ったら『弱』にします。
・鶏モミジを使う場合、皮はあらかじめ、剥がしておきましょう。ここは食べられません。
・魚のあらは特に、長時間煮込むと悪臭が出てくるので、煮込み時間は短くします。
●使い方
・いつもの手作りごはんの材料として
・手作りごはんの食材を煮込む水の代わりに
・飲む点滴として病中病後、手術前後の栄養補給として…塩をひとつまみ入れて
・食欲のないとき、体調が悪いときに
・ドライフードにかけて、水分補給と手作りごはんの第一歩に!
以上、
私の栄養学の師匠である、荒木幸子先生の方法を参考にまとめました。
ここでお知らせです。
当院の内覧会(どんな病院なのか?皆様にご披露いたします会)は2019年4月14日(日)になりましたが、荒木先生が来てくださることになりました。
当日は、犬と猫と飼い主が一緒に食べられるオヤツを準備いたしますので、どうぞお気軽にお立ち寄りください。詳細はまたのちほど。
荒木幸子先生の『犬猫ホリスティック栄養学の会』のHPはこちらです。